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胃がんのステージ4とはどういう状態?定義や主な症状、検査方法、治療法を解説

胃がんのステージ4とはどういう状態? 定義や主な症状、検査方法、治療法を解説

投稿日:2026年10月16日

更新日:2026年10月16日

「ステージ4の胃がん」と診断された場合、患者さんご本人はもちろん、家族の方も大きなショックを受けることが多いでしょう。近年はさまざまな治療法が用いられるようになり、ステージ4の胃がんでも、がんによる症状を緩和したり、QOL(生活の質)を維持したりすることが期待できるとされています。

本記事では胃がんにおけるステージ4の定義や、現れやすい症状、主な検査と治療方法についてまとめました。医師と相談しながら、ご自身に合った治療法を検討しましょう。

<この記事で分かること>

  • ● 周辺の臓器への浸潤や転移が認められる胃がんはステージ4と診断される
  • ● 初期症状が胃炎と似ているため、早期発見されにくい。特に進行が速く、内視鏡検査で分かりにくいスキルス胃がんは要注意
  • ● ステージ4の胃がんは薬物療法や放射線療法、緩和手術などが採用される他、近年は免疫細胞治療という選択肢も考えられる

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胃がんにおけるステージ4とは? 定義と罹患率

がんのステージ(病期)は臓器によって異なりますが、胃がんにおけるステージ4は、遠隔転移が認められている、あるいは胃の周辺の臓器までがんが広がっている状態を指します。

通常がんのステージは、がんの深さ(T)、リンパ節への転移の有無とその範囲(N)、遠隔転移の有無(M)の3点の評価によって総合的に判断されます。

例えば、胃の領域リンパ節に転移がなく、かつがんが胃の筋層までにとどまっている場合はステージ1と判定されるでしょう。また領域リンパ節への転移があり、がんが胃の筋層を超えているが他臓器に及んでいない場合は、ステージ3と判定されるのが一般的です(※)。

ステージ4は、がんが他の臓器に浸潤している、あるいは遠隔転移していると認められた段階で判定されます(※)。

※参考:日本臨床外科学会.「(3) 進行度分類と病期」.https://www.ringe.jp/civic/20200302/p03 ,(参照2026-06-16).

臨床分類と病理分類の違い

胃がんのステージは前述したTNM分類によって決まりますが、臨床分類と病理分類ではやや内容が異なる点に注意が必要です。

画像診断などを経て診断される臨床分類では、がんが胃壁を超え隣接する他の臓器まで続いている場合はステージ4a、他臓器への遠隔転移が認められる場合はステージ4bに分類されます(※)。

一方、胃切除の病理所見によって診断される病理分類では、深達度に関係なく、遠隔転移が認められた場合にステージ4に分類されます(※)。TNM分類におけるTやNに関係なくステージ4に区分されることが特徴です。

※参考:日本臨床外科学会.「(3) 進行度分類と病期」.https://www.ringe.jp/civic/20200302/p03 ,(参照2026-06-16).

ステージ4の胃がんの割合

がん専門機関が公表している集計結果によると、胃がんにおけるTNM分類総合ステージ別登録数は、男女ともにステージ1が6割を超え、次いでステージ4が2割弱と多いです。(※1)

胃がんは、早期の段階では自覚症状がほとんどなく、進行しても症状が現れない場合があります。そのため、症状だけを手掛かりに胃がんに気付くことが難しい場合があります。また、胃の痛みや不快感、吐き気、食欲不振などがみられることもありますが、これらは胃炎や胃潰瘍でも起こる症状です。

さらに、スキルス胃がんは胃壁を硬く厚くさせながら広がり、粘膜に目立った変化が現れにくいため、進行していない段階で発見することが難しい場合があります(※2)。

※1参考:国立がん研究センター.「院内がん登録 2023年全国集計」.”院内がん登録 2023年全国集計 報告書”.p.28, https://ganjoho.jp/public/qa_links/report/hosp_c/pdf/2023_report.pdf ,(参照2026-09-09).

※2参考:国立がん研究センター.「胃がんについて」.”胃がん”. https://ganjoho.jp/public/cancer/stomach/about.html ,(参照2026-09-10)

ステージ4の胃がんで現れやすい主な症状

ステージ4の胃がんの主な症状

ステージ4の胃がんで現れやすい主な症状は、以下の通りです。

  • ● 吐き気
  • ● 食欲不振
  • ● 体重減少
  • ● 腹水
  • ● 腹部の張り
  • ● むくみ
  • ● 吐血・下血
  • ● 貧血
  • ● 腹部・背中の激しい痛み
  • ● 倦怠感
  • ● 食事がつかえる

吐き気や食欲不振については、人によっては初期から感じる症状です。がんが進行すると体内の水分調節が難しくなり、腹水や腹部の張り、むくみといった症状が現れる場合もあるでしょう。

また、がんから出血した場合、吐血や下血などの症状も出ることがあります。これらの症状が慢性化すると、出血による貧血にも悩まされやすくなるようです。

以上がステージ4の胃がんにおける代表的な症状ですが、さらにがんの転移に伴う症状に悩まされる可能性もあります。どのような症状が現れるかは転移先の臓器によって異なります。以下は、胃がんが転移しやすいとされる臓器ごとの主な症状です。

肝臓腹部の圧迫感、黄疸、体重減少、右上腹部の痛み
肺継続的な咳、息切れ、胸水、血痰
骨持続的な骨の痛み、骨折リスクの上昇

症状がどのように現れるかには個人差があります。症状だけで自己判断せず、不調が長引く場合は、なるべく早めに受診しましょう。

胃がんの検査と診断方法

胃がんの診断は、複数の検査を組み合わせて行われます。ここでは胃がんの主な検査方法をご紹介します。

内視鏡検査

まずは内視鏡検査でがんか否かを調べます。口または鼻から内視鏡を挿入し、胃の内部を調べる方法です。

病変の場所や範囲、深さなどを観察し、胃がんかどうかを確認します。もし胃がんが疑われる場合は、そのまま組織を採取し、病理検査を行います。

生検

生検とは、採取した組織を顕微鏡で調べる検査方法です。がんの有無や種類を確定診断するために必要となります。

バイオマーカー検査

生検に用いられた組織を使ってバイオマーカー検査が行われることもあります。バイオマーカー検査とは、がん表面に発現しているタンパク質や、がん特有の遺伝子変化を調べる検査です。

検査結果は、分子標的薬などの薬物療法を検討する際の参考情報として活用される場合があります。

CT・MRI検査

CT検査やMRI検査といった画像検査は、がんが周辺の臓器に広がっていないか、他の臓器やリンパ節に転移していないかを調べる方法です。

CT検査はX線を、MRI検査では磁気をそれぞれ使用し、体の断面を撮影・画像化します。MRI検査はCT検査とは異なる情報で検査できるため、CT検査などで転移が確定できない場合に実施されることがあります。

PET検査

PET検査は、放射性フッ素を付加したブドウ糖液を注射し、がん細胞に取り込まれるブドウ糖の分布を画像化する検査方法です。CT検査などで判断が難しい場合や、転移やがんの再発の有無が確定できない場合に用いられるのが一般的です。

PET検査で撮影した画像とCT検査の画像を重ね合わせ、がんの場所や性質などを診断する、PET-CT検査が行われることもあります。

審査腹腔鏡

審査腹腔鏡とは、腹部に小さな穴を数箇所空け、そこからポートと呼ばれる筒状の器具を挿入して腹腔内を観察する検査方法です。胃がんが進行し、腹膜播種が疑われる場合に行われます。

腹膜播種とは、胃や腸などの臓器を覆う腹膜にがんが転移した状態のことです。画像検査だけでは分かりにくいため、審査腹腔鏡が用いられます。

ステージ4の胃がんの主な治療法

胃がんにはさまざまな治療がありますが、ステージ4の場合は以下の方法を組み合わせて治療するのが一般的です。

  • ● 薬物療法
  • ● 放射線療法
  • ● 手術
  • ● 対症療法(緩和ケア)

また近年は上記に加え、免疫細胞治療が検討される場合もあります。ここでは、それぞれの治療法とその特徴をまとめました。

薬物療法

がんにおける薬物療法は、抗がん剤や分子標的薬などを用いて行われます。抗がん剤は、がんの増殖を抑えたり、がんを小さくしたりするのを目的に、複数の薬剤を組み合わせて投与されるのが一般的です。

一方の分子標的薬は、がん細胞がもつ特定の分子を標的とした治療に用いられます。分子標的薬を使用するかどうかは、バイオマーカー検査の結果などを踏まえて検討されることが多いです。

薬剤の効き目は全身に及ぶため、転移したがんにも効果が期待されていますが、皮膚障害や消化器症状などの副作用が起こりやすいことが難点です。

放射線療法

ステージ4では外科手術による切除が難しいケースが多いため、体外から放射線を照射してがん細胞にダメージを与える放射線療法が用いられる場合があります。

放射線療法を行うと、出血や痛み、食事のつかえなどの症状が緩和されることがあり、QOLの維持・向上に役立つといわれています。

手術

胃がんによる出血や狭窄といった症状を改善するのを目的として、手術を行うケースもあるでしょう。胃の一部を切除したり、胃と腸をつなぐバイパス手術を行ったりするのが代表例です。

対症療法(緩和ケア)

対症療法は、がんによる肉体的・精神的な苦痛の緩和や、がんやがん治療に伴う副作用や合併症などを軽減することを目的として行われます。症状に応じて薬を処方したり、心理面へのケアを行ったりします。

免疫細胞治療

免疫細胞治療とは、患者さん自身の免疫細胞を採取し、強化・培養して体内に戻す方法です。自らの細胞を使うことから、比較的副作用が少なく、標準治療とも組み合わせて治療を行うことができるのが特徴です。

近年では、がん治療の効果には患者さん自身の免疫状態も関係していることが分かってきており、免疫細胞治療は、標準治療と併用することで、その治療効果を高めることが期待されています。

ステージ4の胃がんにはさまざまな治療の選択肢がある

胃がんは初期症状が少ないことから早期発見が難しく、受診した段階でステージ4と診断される場合もあります。ただし、ステージ4の胃がんであっても、薬物療法や放射線療法、手術、対症療法などさまざまな治療を取り入れれば、症状の緩和やQOLの維持・向上が期待できるでしょう。

また患者さんの体への負担を比較的抑えながらがんにアプローチできる、免疫細胞治療を組み合わせるのも選択肢の一つです。どの治療を選択するかはがんの進行度や患者さんの状態によって異なるため、医師と相談しながらご自身にとって適切な治療方法を検討しましょう。

瀬田クリニック東京は、1999年に免疫細胞治療専門医療機関として開院して以降、免疫細胞治療において 24,500例を超える治療実績があります。がんの専門医が多様な治療メニューの中から、患者さん一人ひとりの状態に応じた治療方針をご提案いたします。免疫細胞治療に興味・関心がある方は、ぜひ当院までお気軽にお問い合わせください。

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