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TNM分類とは?基礎知識を分かりやすく解説

TNM分類とは? 基礎知識を分かりやすく解説

投稿日:2026年10月09日

更新日:2026年10月09日

がんはステージと呼ばれる病期でがんの大きさや進行度などを評価しますが、その分類の主な基準として採用されているのがTNM分類です。

「ステージ」という言葉は聞き慣れていても、TNM分類については「初めて知った」「何を基準にしているのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、TNM分類の基礎知識について分かりやすくまとめました。

<この記事で分かること>

  • ● TNM分類とは、がんの病期を判定するための分類基準の一種
  • ● 原発腫瘍の大きさや広がり方、リンパ節転移の状態、遠隔転移の状態から総合的に病期を判断する
  • ● 病期はあくまで治療法を検討する材料の一つであり、他の要素も考慮することが重要

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TNM分類とは、がんの病期分類の一種

TNM分類とは、国際対がん連合(UICC)および米国がん合同委員会(AJCC)によって定められた、がんの病期分類の一種です。TNM分類は、原発腫瘍の大きさや進展の程度、各種治療による遠隔成績の比較を容易にすることを目的に定められています。具体的には、以下3つの要素を基準に、がんの進行度を臓器別に定義しています。

  • ● T(tumor):原発腫瘍の大きさと広がり方
  • ● N(lymph node):リンパ節転移の状態
  • ● M(metastasis):遠隔転移状態

国際的な指標であるTNM分類は、世界各国で用いられる分類基準です。日本でも国内の各学会が臓器別に作成した「がん取り扱い規約」にTNM分類が取り入れられており、この規約に基づいて病期を分類するのが一般的です。ただし、臓器によっては、UICCやAJCCによるTNM分類と内容が異なる場合があります。

TNM分類を使用する理由

医師がTNM分類を使用する理由は大きく分けて3つあります。

1つ目の理由は、適切な治療方法の選択に役立つためです。前述したようにTNM分類は国際的な指標であり、TNM分類を確認すれば、その患者さんのがんがどのくらい進行しているのかを把握できます。その上で、それぞれの病期に適した治療ガイドラインを適用し、治療法を選択できます。

2つ目は予後の予測です。過去の膨大な臨床データによって、それぞれの病期のがんがどのように進行していくかを、ある程度判断することが可能です。もちろん、病期のみで予後を確実に推測できるわけではありませんが、有用な参考材料の一つになると考えられています。

3つ目は治療法の評価です。患者さんをTNM分類に沿って区分した上で臨床研究に参加してもらえば、その治療法でどのような効果が見られたのか、病期ごとに比較・評価しやすくなります。実際に、TNM分類を用いた臨床研究は世界中で実施されており、がん研究の発展に大きく寄与しています。

T分類の概要と臓器ごとの違い

T分類の概要

T分類は原発腫瘍の大きさと広がり方に応じて、T + 数字またはアルファベットで区分・表記されます。

  • ● TX:原発腫瘍の評価が不可能
  • ● T0:原発腫瘍を認めない
  • ● Tis:上皮内がん
  • ● T1~4 原発腫瘍の進行度を示す

TXは原発腫瘍の存在を判定できない、あるいは評価が不可能な場合などに該当します。原発腫瘍を認めない場合はT0となります。Tisはがんが上皮内にとどまっており、それ以上深く浸潤していない状態です。

がんが上皮内を超えて深く浸潤した場合、その進行度に応じてT1~4の4段階で評価されます。

TNM分類の具体的な基準は、がんの種類によって異なります。ここでは、その違いを理解するための例として、胃がんと肺がんの分類を見てみましょう。

【T分類】胃がん

胃がんのT分類は、以下の通りです(※)。

T1a がんが粘膜層に限局している
T1b がんが粘膜下層に達している
T2 がんが固有筋層に達している
T3 がんが胃の固有筋層を超え、漿膜下層にまで達している
T4a がんが漿膜を超え、胃の表面にまで出ている
T4b がんが胃の表面を出ており、かつ他の臓器にも広がっている

※参考:日本臨床外科学会.「(3) 進行度分類と病期」.”病理分類”.https://www.ringe.jp/civic/20200302/p03 ,(参照2026-06-15).

【T分類】肺がん

肺がんのT分類は、以下の通りです(※)。なお、充実成分とは、がん内部の肺血管の形が分からない程度の高い吸収値を示す部位のことで、CT検査などの結果を基に大きさを測定します。

TX 原発腫瘍の評価が不可能
T0 原発腫瘍を認めない
Tis がんが上皮内にとどまっている
T1 がんが肺または臓側胸膜内に存在するか、葉気管支または葉気管支より末梢にがんが存在する
T2a がんの充実成分の大きさが3cm超4cm以下、または充実成分の大きさが3cm以下で以下いずれかに該当する臓側胸膜に浸潤がある隣接する肺葉に浸潤があるがんが主気管支に及ぶが気管分岐部には及ばないか、肺門まで連続する部分的または片側全体の無気肺に閉そく性肺炎がある
T2b 充実成分の大きさが4cm超5cm以下
T3 充実成分の大きさが5cm超7cm以下または充実成分の大きさが5cm以下で以下いずれかに該当する壁側胸膜、胸壁、心膜、横隔神経、奇静脈のいずれかに浸潤がある胸部神経根または星状神経節に浸潤がある同一の肺葉内に、原発巣とは別のがんがある
T4 充実成分の大きさが7cm超または大きさに関係なく以下いずれかに該当する縦隔や胸腺、気管など特定の部位に浸潤がある同側の異なった肺葉内に、原発巣とは別のがんがある

※参考:特定非営利活動法人 日本肺癌学会.「肺癌の分類」.”TNM分類(9版,2025年)”.https://www.haigan.gr.jp/publication/guideline/examination/2025/1/0/250100000000.html ,(参照2026-06-15).

N分類の概要と臓器による違い

N分類はリンパ節転移の有無や状態に応じて、N + 数字またはアルファベットで区分・表記されます。

  • ● NX:所属リンパ節への転移を評価できない
  • ● N0:所属リンパ節への転移が認められない
  • ● N1~3:所属リンパ節への転移があり、進行度を示す

N分類もT分類と同じく、臓器によって内容に違いがあります。以下では代表例として、胃がんと肺がんのN分類をまとめました。詳しく見ていきましょう。

【N分類】胃がん

胃がんのN分類は以下のように、領域リンパ節に転移している数によって分類されます(※)。

N0 所属リンパ節への転移が認められない
N1 領域リンパ節のうち、1~2個に転移している
N2 領域リンパ節のうち、3~6個に転移している
N3a 領域リンパ節のうち、7~15個に転移している
N3b 領域リンパ節のうち、16個以上に転移している

※参考:日本臨床外科学会.「(3) 進行度分類と病期」.”病理分類”.https://www.ringe.jp/civic/20200302/p03 ,(参照2026-06-15).

【N分類】肺がん

肺がんのN分類は、以下の通りです(※)。

NX 所属リンパ節への転移を評価できない
N0 所属リンパ節への転移が認められない
N1 同側の気管支周囲かつ/または同側肺門、肺内リンパ節への転移でがんの直接浸潤を含める
N2a 単一領域で同側縦隔かつ/または気管分岐下リンパ節への転移がある
N2b 複数領域で同側縦隔かつ/または気管分岐下リンパ節への転移がある
N3 対側縦隔、対側肺門、同側または対側の斜角筋、鎖骨上周辺のリンパ節への転移がある

※参考:特定非営利活動法人 日本肺癌学会.「肺癌の分類」.”TNM分類(9版,2025年)”.https://www.haigan.gr.jp/publication/guideline/examination/2025/1/0/250100000000.html ,(参照2026-06-15).

M分類の概要と臓器による違い

M分類は遠隔転移の有無によって「M + 数字またはアルファベット」で区分・表記されます。

  • ● MX:遠隔転移の評価ができない
  • ● M0:遠隔転移が認められない
  • ● M1:遠隔転移が認められる

M分類も他2つの分類と同じく、臓器によって内容に違いがあります。以下では代表例として、胃がんと肺がんのM分類の詳細をまとめました。

【M分類】胃がん

胃がんは、胃の領域リンパ節以外に転移している場合は「M1」、転移が認められない場合は「M0」に分類されます(※)。

※参考:日本臨床外科学会.「(3) 進行度分類と病期」.”進行度によって病期が分けられる”.https://www.ringe.jp/civic/20200302/p03 ,(参照2026-06-15).

※参考:東京医科大学病院.「胃がんの基礎知識」.”胃がんの病期”. https://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/cancer/stomach/knowledge.html ,(参照2026-09-09).

【M分類】肺がん

肺がんのM分類は、以下の通りです(※)。

M0 遠隔転移が認められない
M1 遠隔転移が認められる
M1a 対側肺内の副腫瘍結節、胸膜、心膜の結節、悪性胸水、悪性心嚢水に転移がある
M1b 胸腔外の一臓器への単発遠隔転移がある
M1c 胸腔外の一臓器または多臓器への多発遠隔転移がある

※参考:特定非営利活動法人 日本肺癌学会.「肺癌の分類」.”TNM分類(9版,2025年)”.https://www.haigan.gr.jp/publication/guideline/examination/2025/1/0/250100000000.html ,(参照2026-06-15).

TNM分類による病期の決定

がんの病期はTNMという3つの組み合わせによって判断されます。

病期の分類は臓器ごとに異なりますが、例えば胃がんの場合、リンパ節の転移がなく、がんが粘膜内に限局している場合はステージ1A、がんが胃の筋層を超えて漿膜下層にまで達しており、領域リンパ節のうち7~15個に転移している場合はステージ3Bと判断されます。また遠隔転移がある場合は、T分類にかかわらず、ステージ4と判断されるのが一般的です(※)。

ただし、病期の分類はあくまで治療方針を検討する際の判断材料の一つです。実際の治療方針は、病期に応じた標準治療を基本としつつ、患者さん本人の希望や生活環境、年齢なども考慮して総合的に検討されます。治療方針を決める際は、医師とよく話し合って決めていくことが大切です。

※参考:日本臨床外科学会.「(3) 進行度分類と病期」.”病理分類”.https://www.ringe.jp/civic/20200302/p03 ,(参照2026-06-15).

TNM分類と病期の関係性をきちんと理解しておこう

TNM分類は、原発腫瘍の大きさや広がり、リンパ節転移、遠隔転移の状態をもとに、がんの病期を分類するための指標です。分類の基準や病期との対応は、がんの種類によって異なります。

TNM分類による病期は、治療方針を検討する上で重要な判断材料の一つですが、病期だけで治療方針が決まるわけではありません。がんの種類や性質、患者さんの全身状態なども踏まえ、医師と相談しながら治療方針を検討することが大切です。

瀬田クリニック東京では、患者さんの免疫機能やがん細胞の免疫的特性を診断した上で、患者さんの状態に応じた免疫細胞治療を行っています。免疫細胞治療について詳しく知りたい方や、現在の治療と併せて検討したい方は、お気軽にご相談ください。

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