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悪性リンパ腫とは?基礎知識や種類ごとの特徴、検査・治療方法を解説

悪性リンパ腫とは? 基礎知識や種類ごとの特徴、検査・治療方法を解説

投稿日:2026年09月25日

更新日:2026年09月25日

悪性リンパ腫という病名を耳にしたことはあっても、実際にどのような病気なのか、どういう治療が行われるのかまで詳しく理解している方は多くないかもしれません。悪性リンパ腫は一般的に高齢者に多い病気ですが、若年層で発症する可能性もあり、正しい知識を持っておくことが大切です。

本記事では、悪性リンパ腫の基礎知識と主な種類、診断までの検査方法や治療法をまとめました。悪性リンパ腫と診断されて今後の治療に不安を感じている方や、自分に合った治療法を知りたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

<この記事で分かること>

  • ● 悪性リンパ腫とは、白血球の一種であるリンパ球ががん化して発症する血液がんである
  • ● 日本で多い非ホジキンリンパ腫には多数の種類があり、それぞれ症状や治療法が異なる
  • ● 悪性リンパ腫の診断では、生検を中心に血液検査や画像診断、骨髄検査などが行われる

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悪性リンパ腫とは? 基礎知識と発症の仕組み

悪性リンパ腫について

悪性リンパ腫は、人の免疫機能を担う白血球のうち、リンパ球ががん化することで発症する血液がんの一種です。リンパ球は、リンパ液を運ぶリンパ管やリンパ節などからなるリンパ系に存在し、主にNK細胞、T細胞、B細胞の3つに分類されます。NK細胞はがん細胞やウイルスに感染した細胞を発見し攻撃する役割を担う細胞、T細胞とB細胞は体内に入ってきた病原体を攻撃する役割を担う細胞です。

本来、リンパ球は病原体から体を守る重要な働きをするはずですが、何らかの原因でリンパ球ががん化することがあります。悪性化したリンパ球は、リンパ管や扁桃、首や脇の下などに存在するリンパ節で増殖し、腫瘤を形成し始めます。さらに病気が進行し、がん細胞がリンパ管を流れるリンパ液や血液などを介して全身に広がると、影響を受けた臓器ごとに、さまざまな症状が現れるようになるのが特徴です。

血液がんには他にも白血病や多発性骨髄腫などがありますが、悪性リンパ腫は血液がんの中でも特に罹患数が多い傾向にあります。統計によると、2023年における血液がんの罹患数は以下の通りです。

血液がんの種類 罹患数
男性 女性
悪性リンパ腫(※1) 20,073人 17,528人
白血病(※2) 8,992人 6,172人
多発性骨髄腫(※3) 4,292人 3,646人

なお、悪性リンパ腫の年齢階級別の罹患率は男女ともに85~89歳がピークですが、20代や30代など若年層での発症もゼロではありません(※1)。

※1参考:がん情報サービス.「悪性リンパ腫」.https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/25_ml.html ,(参照2026-06-03).

※2参考:がん情報サービス.「白血病」.https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/27_aml.html ,(参照2026-06-03).

※3参考:がん情報サービス.「多発性骨髄腫」.https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/26_mm.html ,(参照2026-06-03).

悪性リンパ腫の原因

悪性リンパ腫の発症原因は、現時点では完全には明らかになっていません。しかし、リンパ球の特定の遺伝子が変異した結果、細胞の増殖や働きに異常が起こることで発症するのではないかと考えられています。

またリンパ球の種類によっては、別の病気によって免疫機能が著しく低下した結果、がん化するケースもあるようです。他にも、HIVやピロリ菌、C型肝炎ウイルスといったウイルス・細菌の感染が発症に関係している可能性も指摘されています。

悪性リンパ腫の症状

悪性リンパ腫では、初期症状がほとんど現れないケースもあります。その中で比較的よく見られる症状は、リンパ節の腫れやしこりです。これは、リンパ球ががん化しリンパ節で腫瘤を形成することによって起こり、主に首や脇の下、足の付け根などに痛みを伴わない腫れ・しこりが現れることがあります。

また病気が進行すると、以下のような全身症状が見られる場合があります。

  • ● 発熱
  • ● 大量の寝汗
  • ● 体重の減少
  • ● 慢性的な倦怠感
  • ● 皮膚のかゆみ・発疹

腫瘤ができた部位によっては咳や息切れ、腹部の張りなどを感じることもあるようです。

なお、悪性リンパ腫は進行していても症状が目立たないケースもあるため、無症状だからといって油断は禁物です。実際に、自覚症状がないまま健康診断を受け、X線検査などで偶然発見されるケースも一定数あります。

ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫の違い

悪性リンパ腫は大きく分けると、ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫の2種類に分類されます。

ホジキンリンパ腫とは、ホジキン細胞やリード・シュテルンベルグ細胞(RS細胞)と呼ばれる、特徴的な細胞が見られるタイプの悪性リンパ腫です。さらに、古典的ホジキンリンパ腫と結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫に分けられ、前者はHRS細胞、後者はLP細胞がそれぞれ増殖する点が特徴です。また、いずれも連続したリンパ節に広がりやすいという性質があります。

一方の非ホジキンリンパ腫は、ホジキンリンパ腫に属さない悪性リンパ腫の総称です。がん化したリンパ球の種類や成熟段階によって、さらにB細胞リンパ腫、T/NK細胞リンパ腫に分類され、その種類は非常に多岐にわたります。

非ホジキンリンパ腫は種類によって特徴が異なるものの、一般的には前述したRS細胞が見られない点や、リンパ節だけではなく全身のさまざまな部位に病変ができる可能性がある点が、ホジキンリンパ腫との主な違いです。

国内の悪性リンパ腫のほとんどは、非ホジキンリンパ腫です。ホジキンリンパ腫は全体の約5%とされています(※)。

※参考:がん情報サービス.「ホジキンリンパ腫」.https://ganjoho.jp/public/cancer/Hodgkin_lymphoma/index.html ,(参照2026-06-03).

非ホジキンリンパ腫の代表的な種類

非ホジキンリンパ腫の種類は多岐にわたります。ここで、代表的な3つの種類をチェックしておきましょう。

濾胞性リンパ腫

濾胞性リンパ腫はB細胞リンパ腫の一種です。リンパ節にはB細胞が集積するリンパ濾胞と呼ばれる部分があり、中に存在するB細胞の成長段階によって一次リンパ濾胞と二次リンパ濾胞に区分されます。

濾胞性リンパ腫は、二次リンパ濾胞に当たる成長したB細胞に由来することから、この名が付けられました。

濾胞性リンパ腫は年単位でゆっくり進行し、自覚症状が現れにくいという特徴があります。そのため、自覚症状を感じて受診した時点では、横隔膜の両側にまで病変が広がっていたり、リンパ節以外の臓器への浸潤が見られたりする進行期に到達している患者さんも、少なくないとされています。

MALTリンパ腫

MALTリンパ腫はB細胞リンパ腫の一種です。粘膜組織や腺組織に存在する、MALTというリンパ組織に発生する傾向にあることが、名前の由来となっています。粘膜組織および腺組織は、胃腸などの消化管や気管支、甲状腺、唾液腺、目の周りなど複数にわたりますが、特に胃や皮膚で好発しやすいのが特徴です。

症状は発生部位によって異なり、例えば胃なら腹痛や腹部膨満感、皮膚なら発疹やかゆみなどの症状が現れる傾向にあります。

成人T細胞白血病リンパ腫

成人T細胞白血病リンパ腫はT細胞リンパ腫の一種で、T細胞がヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)と呼ばれるウイルスに感染し、がん化した細胞が増殖することによって発症する病気です。なお、HTLV-1に感染していても、生涯のうちに成人T細胞白血病リンパ腫になる確率は2~5%とされています(※)。

病型は急性型、リンパ腫型、慢性型、くすぶり型の4つに分類されますが、LDHやアルブミン、BUNといった血液検査項目のうち、いずれか1つ以上が異常値を示す場合は進行が早い傾向にあるとされています。一方、このような予後不良因子が見られない慢性型およびくすぶり型の経過は、多くのケースで比較的緩やかです。そのため、進行速度の違いに応じ、治療方針も異なるのが一般的です。

※参考:がん情報サービス.「成人T細胞白血病リンパ腫」.https://ganjoho.jp/public/cancer/ATL/index.html ,(参照2026-06-03).

悪性リンパ腫の検査方法

悪性リンパ腫の診断では、生検を主軸に、血液検査や画像診断などの検査が行われます。ここでは主な検査方法とその内容を紹介します。

生検

生検とは、病変の一部または全部を切除し、採取した組織を顕微鏡で観察する検査です。診断の確定や病気のタイプの特定を目的としたもので、採取した病変によってリンパ節生検や腫瘍生検とも呼ばれます。また採取した組織は、より適切な診断を行うため、染色体検査や遺伝子検査などに用いられることもあります。

血液検査

血液検査は、リンパ球の数値や腎機能、肝機能に異常がないかなどを調べるために行う検査です。悪性リンパ腫ではsIL-2RやLDHの上昇を伴うことがあるため、これらの数値はがん診断の補助として用いられることがあります。

画像診断

X線や超音波検査、CT検査、MRI検査などによる画像診断は、リンパ節の腫れの程度や病変の大きさ、周囲への広がり、臓器の異常の有無などを調べるために行われるのが一般的です。また放射性薬剤を体内に投与し、ブドウ糖代謝などの機能から異常の有無を調べる、PET-CT検査が行われることもあります。

骨髄検査

骨髄検査は、赤血球や白血球、血小板を生み出す造血幹細胞が存在する骨髄を調べる検査です。骨髄に病変が及んでいるかどうかを確認することで、病期や病型の評価に役立ちます。骨髄検査には、腰の骨などから骨髄液を採取する骨髄穿刺と、骨髄組織を採取して観察する骨髄生検の2種類があります。

悪性リンパ腫の治療法

悪性リンパ腫の治療は病気のタイプによって異なりますが、薬物療法、放射線療法、造血幹細胞移植が中心となるケースが多いです。ここでは悪性リンパ腫の主な治療法についてまとめました。

薬物療法

悪性リンパ腫における薬物療法は、抗がん剤や分子標的薬といった薬剤を組み合わせる、多剤併用療法が基本です。薬剤の組み合わせは病気のタイプによって異なりますが、非ホジキンリンパ腫の場合は、初回にシクロホスファミドとドキソルビシン、ビンクリスチンという3種の抗がん剤に副腎皮質ホルモンを組み合わせた、CHOP療法などを用いるのが一般的です。

多くの悪性リンパ腫では抗がん剤治療が有効とされていますが、副作用が出る可能性もあるため、症状に応じて制吐剤などの支持療法も併用されます。

放射線療法

放射線療法は、病変のある部位に放射線を照射し、がん細胞を破壊する治療法です。前述した薬物療法に比べると局所的な治療であるため、がんが原発臓器にとどまっており、かつ悪性度が低い場合に単独で行われることがあります。

また悪性度が中~高である場合には、薬物療法を行った後に、放射線療法を行うのが一般的です。

造血幹細胞移植

造血幹細胞移植は、薬物療法や放射線療法だけでは十分な治療効果が期待しにくいと判断された場合に、検討される治療法です。移植に先立ち、大量の薬物療法や全身への放射線療法などによる移植前処置を行った後、患者さん本人またはドナーから採取した造血幹細胞を静脈から投与します。

造血幹細胞移植は、難治性の悪性リンパ腫の根治を目指せる可能性がある治療法として、注目されている治療です。一方で、重篤な治療合併症を伴うリスクが高いことも知られています。そのため、事前に患者さんの体力や全身の臓器の機能、感染症の有無、そして患者さんやご家族の意向を踏まえた上で、治療の可否を判断するのが重要です。

免疫細胞治療

免疫細胞治療は、患者さん自身の免疫細胞を増殖・強化し、がんに対する免疫反応を高めることで、がんを攻撃する治療法です。もともと免疫細胞には、がん細胞を認識して攻撃する働きがあり、その働きを利用してがんに対する免疫反応を高める効果が期待できます。

また患者さん自身の免疫細胞を利用しているため、比較的副作用が少ないとされている点も、免疫細胞治療の特徴の一つです。

なお、免疫細胞治療は、基本的には薬物療法や放射線療法などの他の治療法と併用して行われる場合があります。ただし、悪性リンパ腫にはさまざまな種類があり、病型や病状によって治療方針は異なるため、治療の適応については医師と十分に相談することが大切です。

悪性リンパ腫を正しく知り、自分に合った治療法を見つけよう

悪性リンパ腫は血液がんの一種であり、白血球の一つであるリンパ球ががん化して発症する病気です。代表的な初期症状にはリンパ節のしこりや腫れが挙げられますが、人によっては症状が見られないこともあり、気付いたときには病気が進行しているケースも少なくありません。悪性リンパ腫には多くのタイプがあり、それぞれ特徴や治療法が異なります。そのため、医師と相談しながら病気のタイプや進行度に適した治療法を模索していくことが大切です。

瀬田クリニック東京では、患者さんの免疫細胞やがん細胞の状態を徹底的に検査し、一人ひとりに適切な治療プランを提案する個別化がん免疫療法を行っています。悪性リンパ腫の治療方法として、免疫細胞治療に興味・関心をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

※悪性リンパ腫の種類や病状によっては、当院で実施できる免疫細胞治療が限られる場合があります。詳しくは「免疫療法の対象となる方」のページをご確認ください。

瀬田クリニック東京について

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