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直腸がんの進行速度はどのくらい?スピードを左右する要因や主な治療法について解説

直腸がんの進行速度はどのくらい? スピードを左右する要因や主な治療法について解説

投稿日:2026年10月02日

更新日:2026年10月02日

ご自身やご家族が直腸がんと診断された際「気付かないうちに病気が進行していたらどうしよう」「急速に悪化してしまうのではないか」と不安を抱く方も少なくありません。がんの進行速度は、がんの種類やステージ(病期)によって異なるため、個別に特徴を知っておくことが大切です。

そこで本記事では、直腸がんの基礎知識をはじめ、進行速度とそれぞれのステージの特徴、進行速度を左右する要因、進行度に応じた主な治療法についてまとめました。直腸がんと診断され病状の進行に不安を感じている方や、ご家族の治療について情報を集めている方は、ぜひ参考にしてください。

<この記事で分かること>

  • ● 直腸がんは比較的緩やかに進行する傾向がある一方、発見時には進行しているケースもある
  • ● 直腸がんの進行や発症には、遺伝的要因や食生活、生活習慣などが関係すると考えられている
  • ● 直腸がんの治療は、進行速度やステージ、患者さんの状態などに応じて総合的に判断される

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直腸がんとは? 基礎知識と国内の罹患数

直腸がんの進行速度について理解する前に、まずは基本的な知識を確認しておきましょう。

直腸がんとは、その名の通り直腸に発生するがんです。直腸は大腸の一部であるため広義では大腸がんに分類されますが、結腸に発生するがんと区別する目的で、直腸がんと呼ばれています。直腸がんは、発生初期には直腸の粘膜上皮内にとどまっていますが、進行すると大腸の壁に侵入し、周囲の組織への浸潤や転移を引き起こすことがあります。

大腸がんは、男性では前立腺がんに次いで罹患数の多いがんです。女性の場合は、乳がんの次に多いです。ただし、大腸がん全体のうち過半数を占めるのは結腸がんであり、直腸がんの割合はそれほど高くありません。それでも、全がんの中では比較的罹患数が多いがんの一つであり、2023年の罹患数は男性で3万2,214人、女性で1万9,389人です(※)。

なお男性の罹患数が多い理由は、女性ホルモンのエストロゲンに大腸がんの発生を抑制する働きがある可能性があることや、男性の方が喫煙率が高い傾向にあることなどが要因として考えられています。

※参考:がん情報サービス.「直腸」.https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/7_rectal.html ,(参照2026-05-26).

どのくらいのスピードで進行する? 直腸がんの進行速度

直腸がんの進行速度には個人差があるため一概にはいえませんが、数あるがんの中では、比較的緩やかに進行する傾向にあるとされています。しかし、初期の直腸がんは自覚症状がほとんど現れないことが多く、知らない間に進行し、症状を自覚した頃にはステージが進んでいるケースも少なくありません。

実際に、2023年における直腸がんのステージ別登録数の割合は、Ⅲ期が23.3%と最も高い割合を占めていました(※)。直腸がんのステージは0期~Ⅳ期の5つに分類されているため、Ⅲ期は初期段階と比べると進行した状態に捉えられます。一方で、がんが上皮内にとどまっている0期の割合も21.6%と、Ⅲ期に次いで高いことが報告されています(※)。つまり、直腸がんは進行した状態で発見されるケースがある一方で、早期発見されているケースも少なくないということです。

早期発見につながる要因としては、直腸は大腸の中でも肛門に近い箇所にあり、出血などの症状が比較的現れやすい点が挙げられます。加えて、大腸がん検診が、市区町村による公的補助の対象となる対策型検診として実施されていることも要因の一つです。

がん検診を受けるかどうかは任意であるため、定期的に検診を受けることが早期発見の重要なポイントです。

※参考:国立研究開発法人 国立がん研究センター.「院内がん登録 2023年全国集計」.https://ganjoho.jp/public/qa_links/report/hosp_c/pdf/2023_report.pdf ,p37.(参照2026-05-26).

直腸がんのステージ

直腸がんのステージは前述したように0期~Ⅳ期までの5段階に分類されます。ステージは、がんが大腸の壁のどこまで入り込んでいるかを表す壁深達度(T因子)と、リンパ節への転移(N因子)、直腸から離れた場所にある臓器への遠隔転移(M因子)の3つの組み合わせによって決定されます。

具体的なステージごとの概要は以下の通りです(※)。

ステージ 概要
0期 がんが大腸の上皮(粘膜内)にとどまっている
Ⅰ期 がんが固有筋層までにとどまっている
Ⅱ期 がんが固有筋層を超えて浸潤している
Ⅲ期 がんの壁深達度にかかわらず、リンパ節への転移が認められる
Ⅳ期 がんの壁深達度やリンパ節転移にかかわらず、他の臓器への転移が認められる

上記のうち、0期とⅠ期までの直腸がんは初期がんと見なされ、適切な治療を受けることで根治が期待できるとされています。

ここからは直腸がんの進行度をより理解するために、ステージを決める3つの因子について見ていきましょう。

※参考:国立がん研究センター 中央病院.「大腸がんのステージ(病期)について」.https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/clinic/colorectal_surgery/160/index.html ,(参照2026-05-26).

壁深達度(T因子)

直腸がんのT因子 壁深達度

直腸がんのT因子は、がんがどこまで入り込んでいるかや、浸潤距離の範囲などによって、さらに複数のステージに区分されます。直腸の壁は内側から順に粘膜・粘膜下層・固有筋層・漿膜下層・漿膜・外膜の6層で構成されており、壁深達度が深くなるほどステージも進行します(※)。

壁深達度のステージ別の状態は以下の通りです(※)。

壁深達度 概要
Tis がんが粘膜内にとどまっており、粘膜下層に到達していない
T1 がんが粘膜下層までにとどまり、固有筋層に到達していない
T1a がんが粘膜下層までにとどまり、かつ浸潤距離が1,000μm未満
T1b がんが粘膜下層までにとどまり、かつ浸潤距離が1,000μm以上であるが、固有筋層には到達していない
T2 がんが固有筋層まで到達しているが、これを越えてはいない
T3 がんが固有筋層を越えて浸潤している
※漿膜を有する部位では、がんが漿膜下層までにとどまっている
※漿膜を有しない部位では、がんが外膜までにとどまっている
T4a がんが漿膜表面に接している、あるいはこれを破って腹腔に露出している
T4b がんが直接他の臓器へ浸潤している

T1bよりも壁深達度が深いケースでは、がんがリンパ管や血管などを介して他の臓器まで転移するリスクが高くなるため、基本的に外科手術が選択されます。

なおがんのT因子は、内視鏡による検査や、CT検査・MRI検査などを用いた画像検査の所見からある程度予測できます。その上で、確定診断のために切除した組織を顕微鏡で検査する、生検が行われるのが一般的です。

※参考:国立がん研究センター 中央病院.「大腸がんのステージ(病期)について」.https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/clinic/colorectal_surgery/160/index.html ,(参照2026-05-26).

リンパ節への転移(N因子)

N因子は、リンパ節への転移の有無だけではなく、どれくらい転移しているかによって以下のように細分化されます(※)。

ステージ 概要
N0 リンパ節転移が認められない
N1 腸管傍リンパ節と中間リンパ節の転移総数が3個以下
N1a 転移個数が1個のみ
N1b 転移個数が2~3個
N2 腸管傍リンパ節と中間リンパ節の転移総数が4個以上
N2a 転移個数が4~6個
N2b 転移個数が7個以上
N3 主リンパ節への転移が認められる
下部直腸がんでは主リンパ節または側方リンパ節、あるいは両方への転移が認められる

リンパ節への転移の有無は画像診断の所見からある程度予測できますが、最終的な確定診断は、T因子と同じく生検によって行われます。

※参考:国立がん研究センター 中央病院.「大腸がんのステージ(病期)について」.https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/clinic/colorectal_surgery/160/index.html ,(参照2026-05-26).

他の臓器への遠隔転移(M因子)

M因子は、他臓器への遠隔転移の有無に加え、その広がり方や範囲に応じて以下のように細分化されます(※)。

ステージ 概要
M0 遠隔転移が認められない
M1 遠隔転移が認められる
M1a 1臓器に遠隔転移が認められる(腹膜播種除く)
M1b 2臓器以上に遠隔転移が認められる(腹膜播種除く)
M1c 腹膜播種が認められる
M1c1 腹膜播種のみが認められる
M1c2 腹膜播種の他にも遠隔転移が認められる

腹膜播種とは、がんが腹膜に転移し腹腔内に散らばっている状態を指す用語です。直接他の臓器に転移するケースとは区別して考えられます。

※参考:国立がん研究センター 中央病院.「大腸がんのステージ(病期)について」.https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/clinic/colorectal_surgery/160/index.html ,(参照2026-05-26).

直腸がんの進行速度を左右する要因

直腸がんの進行速度には個人差がありますが、以下のような要素が影響すると考えられています。

  • ● ステージ(病期)
  • ● 遺伝的要因
  • ● 食事
  • ● 生活習慣

初期のうちは年単位でゆっくり進むケースが多いですが、Ⅲ期やⅣ期では病状が進んだ状態で発見されることも珍しくはありません。特に若年で発症する直腸がんでは、遺伝的要因も関与していることがあり、進行した状態で発見される事例もあります。

また次のような習慣がある方は、直腸がんの発症リスクや治療後の健康状態に関係する可能性があります。

  • ● 食生活が偏っている
  • ● 喫煙やアルコールの過剰摂取
  • ● 慢性的な運動不足

健康的な生活習慣は治療中の体調管理にも役立つでしょう。

【進行度別】直腸がんの主な治療法

直腸がんの治療法は、がんの性質や体の状態の他、がんの進行度に基づいて検討されます。最後に、進行度別に直腸がんの主な治療法をまとめました。

初期

初期の直腸がんのうち、0期またはT1a(軽度浸潤)の段階では、内視鏡治療が選択される場合があります。

内視鏡とは細長い管状をした医療機器で、先端に搭載されている小型カメラで撮影した映像を見ながらがんを切除する方法です。外科手術に比べると体への負担が少なく、痛みも軽度で済むことが多いため、回復が早い点がメリットとされています。

ただし、内視鏡治療はごく初期のがんに限られます。Ⅰ期でもT1bなど高度浸潤を起こしているケースでは、外科手術を選択するのが一般的です。

Ⅱ期~Ⅲ期

Ⅱ期~Ⅲ期の直腸がんでは、多くの場合、開腹手術や腹腔鏡下手術、ロボット支援下手術といった外科手術による治療が検討されます。

なおⅢ期および再発リスクが高いと判断されるⅡ期では、外科手術後、抗がん剤を用いた薬物療法や放射線療法を併用するのが一般的です。

Ⅳ期

Ⅳ期の直腸がんでは、遠隔転移したがんと原発巣を切除できるのかどうかによって、治療内容が変わります。

遠隔転移したがんと原発巣のどちらも切除可能であれば、外科手術が検討されるのが基本です。一方、遠隔転移したがんは切除できるものの原発巣の切除は難しいケース、あるいは遠隔転移したがんは原発巣のみ切除可能、かつ、原発巣による症状が見られないケースでは、薬物療法や放射線療法、対症療法などが行われるのが一般的です。

原発巣の切除のみ可能で原発巣による症状が見られる場合は、外科手術で原発巣を切除しつつ、薬物療法や放射線療法で遠隔転移に対応することが多くなります。

免疫細胞治療を選択するという方法もある

直腸がんの治療は先述の通り、内視鏡治療、外科手術、薬物療法、放射線療法が基本ですが、これらの治療に加え、免疫細胞治療という選択肢もあります。

免疫細胞治療とは、患者さんの血液から免疫細胞を採取し、人工的に増殖・強化した上で再び体内に戻す治療法です。本来人が持つ免疫力を応用することで、がんに対する免疫反応の活性化を目指します。また免疫細胞治療は多くのがんに適用できる可能性があり、一般的に​は​Ⅲ・Ⅳ期の進行がんにも実施可能である点も大きな特徴です。

直腸がんは知らない間に進行していることもあるため要注意

直腸がんの進行速度は比較的緩やかとされていますが、初期症状を自覚しにくく、発見が遅れやすいという特徴があります。知らない間に病状が悪化している可能性も否定できません。

一方で、直腸がんはがん検診を受けていれば早期発見につながる可能性も高いため、定期的な受診が重要です。直腸がんはステージやがんの性質、患者さんの状態などによって複数の治療が検討されますが、標準治療と組み合わせる治療として、免疫細胞治療を併用するという選択肢もあります。

瀬田クリニック東京では、1999年に国内初の免疫細胞治療専門医療機関として開院して以降、24,500症例を超える免疫細胞治療実績があります。免疫の豊富な知識を持つがん専門医が診療し、検査に基づいて一人ひとりに適した治療プランを提案することが可能です。免疫細胞治療に興味・関心をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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