皮膚がんは、皮膚に発生する悪性腫瘍を指します。皮膚がんを発症すると、どのような症状が出るのでしょうか。
本記事では皮膚がんの基本情報や原因、治療法などを解説します。目に見える箇所に病変が現れる皮膚がんは、早期発見がしやすいがんです。本記事を参考に症状や特徴を知り、早期発見・治療につなげましょう。
<この記事で分かること>
- ● 皮膚がんは皮膚にできる悪性腫瘍で、比較的早期発見しやすい因
- ● ただし初期症状は、できものや湿疹、ホクロと間違えやすい
- ● 症状はがんの種類によっても異なるが、初期症状は肌の赤みやかゆみ、新たなホクロの出現、既存のホクロの変化などがある
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皮膚がんとは?
皮膚がんとは、皮膚にできる悪性腫瘍のことです。肺や胃、大腸、肝臓など臓器に発生するがんと異なり、症状が目に見えるため、比較的早期発見しやすいがんとされています。
しかし、がんの特徴を知らなければ見過ごしてしまい、気付かぬうちに進行しているケースも少なくありません。万が一皮膚がんになった場合でも、迅速に適切な対応ができるよう、がんの症状を知っておくことが大切です。
皮膚がんを引き起こす主な原因
皮膚がんを引き起こす主な原因の一つが「紫外線」です。
紫外線を浴びると、皮膚は少なからずダメージを受けます。長期間にわたって紫外線によるダメージが蓄積すると、皮膚の細胞が修復される過程で突然変異が起きることがあり、その結果がん化するリスクが高まるのです。紫外線以外にも、放射線や化学物質の影響が皮膚がんの発症原因となる場合があります。
また以下のようなウイルスへの感染も、皮膚がんのリスクを高める原因です。
- ● ヒトパピローマウイルス(HPV)
- ● ヒトヘルペスウイルス8型
このようなウイルスに感染すると、体内に入り込んだウイルスによって細胞が傷つき、修復の課程でがん化する恐れがあります。
それ以外にも、以下のような皮膚への刺激も、皮膚がんを引き起こす原因と考えられています。
- ● やけど
- ● けが
- ● 衣服などによる摩擦
皮膚がんの初期症状
皮膚がんの初期症状は、以下の通りです。
- ● 肌の赤み
- ● かゆみ・出血
- ● 新たなホクロの出現
- ● ホクロの形や大きさの変化
- ● ホクロの色の不均一さ
- ● 治りの遅いかさぶた
前述の通り、皮膚がんは臓器がんと異なり、目に見える場所に症状が現れるため、早期発見しやすい傾向にあります。
しかし、上記のように初期症状ができものや湿疹、肌の乾燥、ホクロなどと間違えやすいため「すぐ治るだろう」と自己判断をして放置する方も少なくありません。皮膚がんの種類による特徴はこの後に説明しますが、少しでも「何かおかしい」と感じた場合は、できるだけ早めに医療機関を受診しましょう。
皮膚がんと湿疹の見分け方
肌に赤みやかゆみがある場合、多くの方は湿疹を疑うのではないでしょうか。
もちろん湿疹の可能性はありますが、皮膚がんのかゆみと湿疹のかゆみには特徴に違いがあります。皮膚がんを早期発見するためにも、かゆみの違いを知っておきましょう。
【皮膚がんのかゆみの特徴】
- ● かゆみが持続する
- ● 出血・しこり・潰瘍などを伴う
- ● かいても一時的な改善がない
- ● かくと悪化する
【湿疹のかゆみの特徴】
- ● 突然強いかゆみが出る
- ● 不規則な生活やストレスを感じたときにかゆみが出る
- ● 季節の変化でかゆみが出る
- ● 赤み・腫れ・乾燥・かさぶたなどを伴う
- ● かくと一時的にかゆみが軽減するが、悪化するケースもある
このような違いはありますが、症状の差が必ずしも明確とは限らず、判断が難しいことも多くあります。気になる症状がある場合は、まず医師に相談することをおすすめします。
皮膚がんとホクロの見分け方
ホクロは、特に皮膚がんと間違いやすいとされています。
皮膚がんの中でも、ホクロに似たタイプの場合、次のような特徴が見られることがあります。ご自身のホクロが当てはまらないか、確認してみましょう。
- ● 形が左右非対称である
- ● 縁がギザギザしている
- ● いびつな形をしている
- ● 輪郭がぼやけている
- ● 色にムラがある
- ● 短期間で大きくなる
- ● 短期間でホクロの数が増える
- ● ホクロが隆起している
ただし、この場合も、上記に当てはまらないからといって「皮膚がんではない」とは言い切れません。気になる場合は、早めに皮膚科で相談しましょう。
【種類別】皮膚がんの特徴
皮膚がんの初期症状や湿疹・ほくろとの違いは前述した通りですが、皮膚がんといっても複数の種類があり、種類によって特徴が異なります。ここからは、皮膚がんの種類別に代表的な特徴を見ていきましょう。
悪性黒色腫(メラノーマ)
悪性黒色腫(メラノーマ)は、メラニンを作り出すメラノサイトががん化して発生する、悪性度の高い皮膚がんです。紫外線の影響や加齢などが発症要因と考えられています。
黒色や褐色の斑点やしこりとして現れ、形が不規則で境界がぼんやりしていて、色の濃さが均一でないことが特徴です。また以下の変化がある場合は、特に注意しましょう。
- ● 急に大きくなる
- ● 出血を伴う
- ● かゆみを伴う
ホクロと見分けが付きにくいため、放置されるケースも珍しくありません。日本人の場合、足の裏や手のひら、指や爪など四肢の末端に発生しやすい傾向があります。ただし、全身の皮膚や粘膜、目、中枢神経系などにもできることがあります。
かなり初期の段階から、リンパ管や血管を介して全身に転移するケースも多いので、早期発見が重要です。高齢者に多く発症しますが、年齢に関係なく発症するリスクはあるため、若い方でも注意が必要です。
有棘(ゆうきょく)細胞がん
有棘(ゆうきょく)細胞がんは「扁平上皮がん」とも呼ばれ、皮膚の表皮を構成する有棘層という部分に発生するがんです。紫外線や放射線による長年のダメージ、慢性的な炎症や潰瘍、ウイルス感染などが原因と考えられています。
このがんでは、赤みを帯びた盛り上がりやしこりが現れることが多く、いぼと見間違われることも少なくありません。表面にうろこ状のかさぶたができたり、出血や強いにおいを伴ったりする場合もあります。
紫外線を多く浴びやすい頭皮・顔・手の甲などに発症する他、放射線を照射した箇所や、やけど、けがをした箇所にできることが多いです。
有棘細胞がんは進行が早い傾向にあります。なかなか治らない皮膚のただれや異変がある場合は、早めに病院を受診しましょう。
基底細胞がん
基底細胞がんとは、表皮の最も内側にある基底層や毛根を包む毛包の細胞ががん化したものです。高齢者に多く見られる皮膚がんで、紫外線が主な原因と考えられています。基底細胞がんには、主に以下の3タイプがあります。
| 結節・潰瘍型 |
|
| 表在型 |
|
| 斑状強皮症型 |
|
鼻の周辺やまぶた、ほほ、上唇などにできるケースが多いです。手術で完全に切除すれば完治が可能で、他の臓器などに転移することはほとんどありません。ただし、再発しやすい傾向があるため、一度発症した場合は特に注意が必要です。
小さい場合は傷跡も目立ちませんが、肥大化すると傷跡が残ったり、入院が必要になったりするケースもあります。
パジェット病
パジェット病とは、汗腺の一つであるアポクリン腺の細胞ががん化したものです。明確な原因は分かっていませんが、皮膚への刺激の他、遺伝や女性ホルモンの影響も関係していると考えられています。
パジェット病の特徴は、赤みやただれなどです。かゆみや痛みが出るケースもありますが、自覚症状がないケースも少なくありません。
パジェット病は大きく2種類に分けられ、発症する箇所が異なります。
- ● 乳房外パジェット病
- ○ 陰部
- ○ 肛門周辺
- ○ 脇の下
- ● 乳房パジェット病
- ○ 乳房
乳房外パジェット病を発症するのは高齢者が多い傾向にありますが、乳房パジェット病は年齢に関わらず発症のリスクがあります。
転移がなければ表皮の切除による治療ができますが、リンパ節や内臓に転移するケースもあるので早期発見・治療が大切です。
ボーエン病
ボーエン病は表皮内で発生する初期の皮膚がんです。表皮と真皮の間にある基底膜を超えることなく表皮にとどまるのが特徴で、進行すると前述した有棘細胞がんになる可能性があります。紫外線や化学物質の影響の他、ヒトパピローマウイルスへの感染が主な原因です。
皮膚に赤色または茶色の円形や楕円形の異変が現れるのが特徴です。かゆみはありませんが、少しずつ大きくなったり、数カ月たっても改善が見られなかったりする場合は、ボーエン病の可能性を考えてみましょう。
表皮内にとどまっているうちは転移のリスクはなく、手術による切除で完治できます。ただし進行すると、臓器への転移のリスクがあります。
血管肉腫
血管肉腫とは、血管の内側にある血管内皮細胞が変異し、がん化したものです。原因は明確に分かっていませんが、やけどやけがなどの外傷、紫外線・放射線によるダメージが原因と考えられています。
発症するのは頭皮や顔が多いですが、四肢や体幹の他、皮膚以外では心臓・肝臓・脾臓にもできることがあります。
初期段階では、内出血やあざと見間違うケースが多いです。進行すると潰瘍化する他、出血が見られることもあります。高齢者に多く発症しますが、年齢に関わらずリスクはあるので注意が必要です。
まれな皮膚がんですが、進行が早く、遠隔転移を起こすこともあります。
その他の皮膚がん
皮膚がんには、ご紹介した以外にも、以下のような種類があります。
| メルケル細胞がん |
|
| 皮膚付属器がん |
|
| 隆起性皮膚線維肉腫 |
|
| 日光角化症 |
|
皮膚がんは早期発見が重要!
一口に皮膚がんといっても、種類によって進行のスピードは異なり、また同じがんでも、進行には個人差があります。
しかし、初期段階で適切な治療を行えば、切除のみで完治を目指せるがんもあるため、何よりも早期発見が大切です。できものや湿疹、ホクロなどと間違いやすいですが、皮膚がんは目に見える場所に症状が現れることが多いので、普段からご自身やご家族の肌に異変がないか注意して観察しておきましょう。
万が一、皮膚に何らかの異変がある場合は、自己判断で放置せず、できるだけ早く病院を受診することが大切です。早期に対処できれば、治療が容易になる可能性が高く、精神的な負担や治療費も抑えられます。
皮膚がんの検査方法
皮膚がんの検査方法には、以下のような種類があります。
| 視診 | 医師の目視による検査 |
| ダーモスコピー | 拡大鏡を用いて皮膚の内部構造や状態を確認する検査 |
| 生検 | 病変の全体もしくは一部を切除し、顕微鏡で調べる検査 |
| 画像検査 | 超音波検査・CT検査・MRI検査・PET-CT検査など |
| 腫瘍マーカー検査 | がん細胞が作り出す物質の量を尿や血液を用いて調べる検査 |
必ずしも全ての検査が行われるわけではなく、状態や疑われるがんの種類などによって、適切な検査が行われます。
皮膚がんの治療法
万が一、皮膚がんになった場合、どのような治療法があるのでしょうか。主な治療方法を見ていきましょう。
外科療法
外科療法とはいわゆる手術による切除のことです。転移が見られない場合、病変部やその周辺組織を切除し、完治を目指します。
再発や転移を防ぐためには、病変部だけではなく、周辺組織も一定の範囲・深さで切除する必要があります。場合によっては他の部位から皮膚を貼り付けたり、皮膚と皮膚組織を移動させたりする再建術も行われます。
凍結療法
凍結療法とは、液体窒素を使ってがん細胞を凍らせて、壊死させる治療法です。ステージ0やまだ浸潤の浅い皮膚がんの場合、この治療法が用いられることがあります。
体への負担が少ない治療法なので、高齢の方や持病のある方にも適応可能です。また緩和医療に用いられることもあります。
放射線療法
放射線療法とは、放射線を病変部に照射し、がんの縮小・消滅を目指す治療法です。皮膚がんの中でも、有棘細胞がんや血管肉腫に高い効果が期待できるとされていますが、中には思うような効果が得られない皮膚がんの種類があります。
後述する薬物療法と併用するケースもあります。また転移や再発を予防するために、放射線療法が行われるケースも多いです。
薬物療法
薬物療法は、薬を投与・服用して行う治療です。抗がん剤の他、患者さん自身の免疫細胞を活性化させてがん細胞への攻撃を促す「免疫チェックポイント阻害薬」や、がん細胞の増殖に関わる分子をピンポイントで攻撃する「分子標的薬」が用いられることもあります。
主に手術が難しい場合に選択される治療法ですが、顔など目立つ部分に病変がある場合、薬物療法で病変部を小さくした上で切除するケースもあります。
免疫細胞治療
免疫細胞治療とは、患者さんの免疫細胞を活用した治療法です。患者さんの血液から免疫細胞を採取し、増殖させたりがん細胞を効率的に攻撃できるように加工したりして、再度体内に戻します。
副作用が少ない治療法として、近年注目を集めている方法です。外科療法・放射線治療・薬物療法といった標準的な治療法と併用することもできます。また治療後の転移や再発を予防する効果も期待できます。
皮膚がんは早期発見・治療が肝心
皮膚がんは、臓器に発生するがんと異なり、病変部が見つけやすいがんです。ただし、できものや湿疹、ホクロと似ているケースが多いので、自己判断で放置するケースも少なくありません。
ご紹介した内容を参考に「おかしいな」と思ったら、できるだけ早く病院を受診しましょう。万が一皮膚がんだった場合は、医師に相談の上、病状やご希望に合わせた治療を選択することが大切です。
瀬田クリニック東京では、お一人おひとりの状態やがん細胞の特徴に合わせ、個別に最適化したオーダーメイド治療を提供しています。ご自身の細胞を使う治療のため大きな副作用はなく、標準治療との併用も可能です。治療の選択肢にお悩みの方、免疫細胞治療にご興味がある方は、どうぞお気軽に瀬田クリニック東京までご相談ください。
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