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獲得免疫自然免疫の違いとは?細胞の種類や免疫を高める方法をわかりやすく解説

投稿日:2023年4月10日

更新日:2025年5月15日

体内に侵入してきたウイルスや細菌といった外敵から体を守る免疫には、「獲得免疫」と「自然免疫」の2種類があります。それぞれ異なる仕組みで私たちの体を守ってくれていますが、その働きや役割の違いについて知らないことも多いでしょう。

本記事では、2つの免疫の役割や違いをわかりやすく解説します。また、免疫力が低下することで起こる症状や高めるためのポイントも併せてご紹介するので、風邪を引きやすい・けがが治りにくいといったお悩みがある方はぜひ参考にしてください。

そもそも免疫とは?

私たちは空気感染や飛沫感染、接触感染、経口感染などで意図せずウイルスや細菌を体に取り込み、病気にかかってしまいます。また、がん細胞といった異常細胞が増殖することでも、重篤な病気になります。このような外敵や内敵を認識し、攻撃して排除するのが免疫です。

自然免疫獲得免疫とは?仕組みをわかりやすく解説

自然免疫獲得免疫の仕組みを理解するとき、軍隊に例えると少しわかりやすくなるかもしれません。

自国を守るには、国境から侵入する敵(ウイルスなど)や敵国の味方となって破壊活動を行う不穏分子(がん細胞など)を制圧する必要があります。こうしたリスクに対して常に体を巡回して異常がないかをチェックしているのが自然免疫で、強い敵に対してさらなる攻撃を仕掛けるのが獲得免疫です。

それぞれの役割や働きを詳しく見ていきましょう。

自然免疫=パトロール部隊

パトロール部隊(自然免疫)はいつも体の中を回っています。その過程で、内外から攻めてくるさまざまな敵(ウィルスやがん細胞など)を見つけ出して、発見しだいすぐに攻撃し、排除する部隊です。

獲得免疫=精鋭部隊

精鋭部隊(獲得免疫)は、自然免疫だけでは対応できない敵が現れると特徴を分析して、その敵ごとに攻撃方法を確立し殲滅する部隊です。この精鋭部隊には、敵を識別するための情報が伝えられており、その情報を目印に体内を捜索して攻撃します。

精鋭部隊(獲得免疫)は一度戦った敵の情報を記憶(メモリー)する!

精鋭部隊(獲得免疫)制圧し敵がいなくなったらいったん解散します。しかし、精鋭部隊(獲得免疫)は完全に消滅するわけではなく、軍隊という組織のなかに部隊の記憶(メモリー)は残り、今後同じ敵が現れたら素早く結成され、初期段階から強力な攻撃を行うことで、敵(ウィルスやがん細胞など)を寄せ付けなくさせます。

インフルエンザのワクチンなどの予防接種の多くは、この機能を生かした方法です。あえて体内にウイルスを入れることで獲得免疫がウイルスを分析、情報を取得し、外から同じウイルスが侵入した際に攻撃できるように準備をさせておくことで病気を予防する仕組みです。

精鋭部隊(獲得免疫)は優れた攻撃力を備えていますが、パトロール部隊(自然免疫)と比べると次のような劣る面があります。

  • 侵入した敵(ウイルスやがん細胞など)を認識し情報を得て部隊を結成するまでに時間がかかる
  • 任務を請け負った敵以外に対しては戦闘を行わないし、他にもっと凶悪な敵がいたとしても、いっさい関わることはない

パトロール部隊(自然免疫)は敵(ウィルスやがん細胞など)の情報を記憶(メモリー)できませんが、精鋭部隊(獲得免疫)が来るまでの間素早く敵を攻撃することができます。パトロール部隊(自然免疫)から次の精鋭部隊(獲得免疫)へとスムーズに攻撃がバトンタッチできることで、敵の進行の食い止めにつなげられるのです。

自然免疫獲得免疫の違いとは?細胞の種類について解説

がん細胞を殺傷する自然免疫獲得免疫の免疫応答は、担当する細胞が違います。また、がん細胞の識別の仕方も異なります。

種類 細胞の名称 役割
自然免疫 食細胞
(マクロファージ、好中球など)
ウイルスやがん細胞などの病原体をどんどん細胞内へ取り込み消化して破壊する
NK細胞 異常な細胞をすばやく発見し攻撃を行う
NKT細胞 自然免疫と獲得免疫の両⽅の機能を併せ持つ
獲得免疫 樹状細胞※ ウイルスやがん細胞を貪食して消化し、T細胞へ敵の識別情報と攻撃指令を出す。NKT細胞の誘導にも関わる。
ヘルパーT細胞 樹状細胞からの指令を受けて、キラーT細胞とB細胞を支援する
キラーT細胞 ヘルパーT細胞の支援や樹状細胞の指令を受けて、異常細胞への攻撃を行う

樹状細胞が、自然免疫獲得免疫の橋渡しとなり重要な役割を担います。
詳しくは、次回の院長ブログで解説します!

自然免疫獲得免疫の乱れ・低下が引き起こす症状

自然免疫獲得免疫が乱れたり免疫力が低下したりすると、私たちの体にどのような悪影響が出るのでしょうか。ここでは代表的な症状を3つご紹介します。

アレルギー反応が起きやすくなる

免疫のバランスが乱れることでかえって鼻水や目のかゆみ、体のかゆみにつながってしまうケースがあります。例えば花粉症です。花粉症は目や鼻から花粉が侵入し、鼻の粘膜に付着すると自然免疫が敵とみなして攻撃を始めます。このとき、非常に大量の刺激物質であるヒスタミンが放出され、それによりアレルギー症状が起こってしまうのです。

また、アトピー性皮膚炎も同様の仕組みで起こるケースがあります。アトピー性皮膚炎は皮膚の細菌やダニ・カビ、食品や添加物などさまざまなアレルゲンに免疫(好酸球など)が反応し攻撃を行う際に刺激物質を皮膚に放出することで起こってしまいます。

風邪を引きやすくなる

免疫力が下がるということは、通常時のように外敵を攻撃したり排除したりできない状態に陥ってしまっているということです。そのため、ウイルスや細菌が体内に入っても戦えず病原体に負けてしまいます。

その結果、いつもよりも風邪を引きやすかったり症状が長期化しやすくなったりします。

がんの発症リスクが高まる

本来であれば、免疫は外敵だけでなくがん細胞といった異常細胞も攻撃し排除します。しかし免疫が乱れていたり免疫力が低下したりして、本来の機能を維持できなくなると、がん細胞を攻撃できず発症リスクを高めてしまいます。

またがん細胞は成長するにつれて、免疫抑制細胞を利用して攻撃を抑制したり監視をすり抜けたりするので、結果的に免疫力の低下を招いてしまうでしょう。

免疫力を高める3つの方法

ここでは、自然免疫獲得免疫を正常に機能させるために行うべき3つの方法をご紹介します。アレルギー症状でお悩みの方もぜひ実践してみてください。

生活習慣を改善する

免疫力を高める生活習慣には、適度な運動や過度な飲酒を避け、禁煙、質の良い睡眠、ストレスの少ない環境などが当てはまります。例えば適度な運動であれば、1日30分程度の散歩や軽いジョギング、ストレッチなどを行うと良いでしょう。質の良い睡眠であれば、同じ時間に起床・就寝する、寝る前にスマートフォンやパソコン、テレビを見ないようにするといったことで改善できます。

生活習慣を改善すると、免疫力が高まるだけでなく自律神経やホルモンが整ったり、心疾患や糖尿病、高血圧などの重篤な病気を予防したりすることにもつながります。

腸内環境を整える

免疫力を高めるには食事を見直すことも重要です。バランスの良い食事を心掛けると、免疫細胞の機能維持に必要な栄養素をまんべんなく取れます。また、免疫細胞の多くは腸に存在しています。そのため腸内環境を整えることも重要です。

積極的に取りたい栄養素は以下の通りです。

  • たんぱく質(肉、魚、卵、乳製品など):免疫細胞の産生やエネルギー源として不可欠
  • 発酵食品(ヨーグルト、納豆、味噌など):酵素を吸収できる
  • ビタミンC(焼きのり、赤パプリカ、ブロッコリーなど):免疫細胞の産生や機能向上に寄与する
  • ビタミンE(卵、かぼちゃ、アーモンドなど):細胞膜のダメージや機能低下を抑える
  • 食物繊維(きのこ、ごぼう、海藻類など):免疫細胞に良い影響を与える善玉菌の餌となる

体を温めて体温を維持する

体温が1度でも上がると血流やリンパの流れが良くなるので、免疫細胞が全身を巡りやすくなり、敵を発見・攻撃しやすくなります。免疫細胞が正常に機能する体温は36.5度といわれているので、それよりも体温が低い人は適度な運動を行う、入浴する、温かい食べ物や飲み物を取るといった改善を積極的に行いましょう。

獲得免疫自然免疫に関するよくある質問

ここからは獲得免疫自然免疫に関してよくある質問について、解説します。

獲得免疫は何種類ある?

獲得免疫はさらに細分化すると、「細胞性免疫」と「液性免疫」の2種類があります。

細胞性免疫は、異物に直接攻撃を行うT細胞が主体となって働いています。細胞による攻撃を促進する「ヘルパーT細胞」、がん細胞、ウイルスに感染した細胞などを破壊する「キラーT細胞」、免疫過剰を起こさないよう調整する「制御性T細胞」などです。

液性免疫は、敵に抗体を作って攻撃を行うB細胞が主体となって働いています。マクロファージや樹状細胞が発した敵の情報を基にB細胞は形質細胞へ分化して抗体を作り始めます。抗体は体液を介して全身に広がり、敵の感染力を失わせることが可能です。

免疫細胞はどこで作られるの?

自然免疫獲得免疫も呼び名や役割、働きは違っていても、白血球の仲間です。白血球は骨髄で作られ、分化というプロセスを経てさまざまな免疫細胞になっていきます。ただしT細胞だけは、心臓の少し上にある胸腺で分化を続けます。このT細胞は分化した95%が厳しい分化に耐えられず脱落してしまいます。残った5%のエリートT細胞が私たちの体を守っているのです。

※参考:中外製薬.「免疫」.https://www.chugai-pharm.co.jp/ptn/medicine/karada/karada023.html ,(参考2025-02-22).

自然免疫獲得免疫の仕組みや違いを理解しよう

ここからは獲得免疫自然免疫に関してよくある質問について、解説します。

免疫には自然免疫獲得免疫の2種類があり、それぞれ役割や主に働く免疫細胞が異なります。どちらの免疫もバランスが乱れてしまうと、アレルギー反応として出てしまったり、風邪やがんの発症リスクを高めてしまったりするので、注意が必要です。

免疫力を高めるには、生活習慣を改善したり腸内環境を整えたり、体温を維持したりすることが重要です。少しずつで良いので毎日実践・継続して、免疫力を維持しましょう。

瀬田クリニック東京では、がんの免疫療法の一つ・免疫細胞治療を専門に行っています。免疫細胞治療とは、患者さん自身の血液から免疫細胞を取り出し、培養して増殖、点滴や注射などで再び体内に戻すことを繰り返す治療法です。増殖時に患者さんのがんの特徴を免疫細胞に記憶させることも可能なので、効率的にがんを攻撃することが期待されています。

また、病原体に対して攻撃あるいは制御する代表的な12種類の免疫細胞を測定する検査も行えるので、免疫力をチェックしたい方はお気軽にお問い合わせください。

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