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感染しない人『重要なのはT細胞のパワー』
瀬田クリニック東京 コンシェルジュスタッフブログ

2021年12月8日

みなさま、こんにちは。
いつもクリニック通信をお読みいただきありがとうございます。
本日はコンシェルジュスタッフよりお届けしたいと思います。
少し長くなりますが、最後までお読みいただけるとうれしいです。

先月、学術誌「ネイチャー」に英ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の研究チームによる研究結果が掲載されました。新型コロナウィルスにさらされても自然耐性で感染を防いできた人たちが一定数いて、さらにそれが全く新しいワクチン開発につながるかもしれないというものです。

簡単にご説明すると…

去年春ごろ、新型コロナウィルスが最初に猛威を振るった第1波の際に、ロンドン市内の医療従事者を対象に感染状況や免疫の反応を調べました。その結果、直接、患者と接する医療従事者は感染リスクが高いとされますが、実は全体のおよそ15%は一度も感染せず、PCRなどの検査で陽性になりませんでした。そこで、さらにこの15%の人たちの血液を調べたところ、ある共通点がわかりました。それは、風邪などの原因となるコロナウイルスを攻撃する『T細胞』が体内で増加していたということでした。(T細胞とは、がん細胞やウィルス感染細胞などの異常細胞を見分けて、それらを集中的に攻撃、排除する機能を持つ免疫細胞)

感染しない人『重要なのはT細胞のパワー』

こうした免疫力をもった人たちは、T細胞によって感染の初期段階でウィルスを排除することができたので、体内でウィルスが増殖せず感染を抑制することが可能になったと考えられます。新しいワクチンとは、このT細胞を活性化しようとするものです。

現在、世界中で使用されているワクチンの多くは、ウィルスが人体の細胞に入り込むのに必要な、ウィルスの表面にあるスパイクたんぱく質を標的とする抗体を体内で作り、実際にウィルスが入ってきた際にブロックします。このワクチンのデメリットは、変異株に効果が弱く、持続期間が短いと言われています。
一方、新しいワクチンは抗体を作るのではなく、T細胞を活性化する仕組みになると言われています。T細胞はウィルスに感染した細胞そのものを攻撃するので、変異株にも効果を発揮することや抗体より効果持続性が長い可能性が期待できるそうです。抗体ではなくT細胞を活性化するワクチンが開発されると、ブレークスルー感染を防いで、変異種にも高い免疫効果を示す可能性があります。

当院で行っている免疫細胞治療は、体外で活性化、増殖させたこのT細胞、あるいは樹状細胞というT細胞の指令塔を使った治療法です。詳しくはこちら『免疫細胞療法とは』をご参照ください。
なお、当院の免疫細胞の培養を受託しているメディネット社は、既に新型コロナウイルス予防のために、この樹状細胞を使ってT細胞を活性化するワクチンの研究を国立がん研究センターと慶応大学と共同で開始しています。

なお、病気の発生を未然に防ぐことを目的に、症状や障害が起こる以前の段階から実施する医療を先制医療といいます。先制医療としての免疫細胞治療の効果を研究していく上では、免疫機能を評価することが必要となり、瀬田クリニック東京は免疫細胞治療前後での免疫機能を測定するパラメーターを明確化するための臨床研究をメディネット社と共同で行っています。

瀬田クリニック東京は1999年から、患者さまのがん細胞の性質・特徴を遺伝子レベルで調べ、個別化医療として一人ひとりにあったがん免疫細胞療法の治療を専門医療機関として行っております。
治療についてのご相談や不安、疑問などございましたら、下記フォームよりお問い合わせください。

お問い合わせはこちら

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、また次回クリニック通信でお会いしましょう!

※参考文献
BBCNEWS/JAPAN「感染しない人」手掛かりにワクチン開発へ医療従事者を英大学が研究
YOUTUBE【公式】日テレNEWS【解説】感染しづらい人の共通点は?新しいワクチン開発に繋がるか…
学術誌『Nuture』Pre-existing polymerase-specific T cells expand in abortive seronegative SARS-CoV-2

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