直腸がんは大腸がんの一種であり、日本において比較的多く見られるがんの一つです。2021年に行われた調査では、大腸を結腸と直腸に分けて考えたとき、直腸がんは6位にランクインしています。
直腸がんは中高年層に多く、進行するまで自覚症状が現れにくい点が特徴です。このことは早期発見を妨げる要因にもなっており、気づいたときにはがんが進行しているケースも少なくありません。
本記事では、直腸がんの原因となる生活習慣や加齢、遺伝的要素、その他のリスクについて解説します。併せて症状や治療の選択肢についても紹介します。直腸がんについて正しく理解し、予防や早期発見のきっかけとしてください。
※参考:がん情報サービス.「最新がん統計のまとめ」.
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html ,(参照2025-07-18).
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直腸がんとは?
直腸がんとは、大腸のうち直腸と呼ばれる部分に発生する悪性腫瘍です。大腸がんは結腸がんと直腸がんに大別され、そのうち直腸がんは全体の約30〜40%を占めるとされています。
直腸は、結腸から送られてきた便を一時的に蓄え、排便のタイミングに応じて肛門へと送り出す役割を担っている臓器です。骨盤内という限られたスペースに位置し、前立腺や膣、膀胱などの臓器と隣接しているため、がんが進行するとこれらの器官に影響を及ぼす可能性もあります。また便の通過路に当たる部位なので、がんの存在が排便異常として現れやすいという特徴があります。
直腸がんの主な原因
直腸がんの原因は一つに限らず、いくつかの要素が複合的に関与しているケースが多いです。そのため多角的なリスクに目を向けることが大切です。それぞれのリスク因子について詳しく見ていきましょう。
【原因①】生活習慣
日常生活における行動の積み重ねが、長期的にがんの発症リスクを高めることがあります。特に食生活、飲酒・喫煙、運動不足は直腸がんの三大生活習慣リスクとして知られています。
【原因①-1】食生活の乱れ(高脂肪・低食物繊維)
牛・豚・羊などの赤身肉や、ハム・ソーセージ・ベーコンといった加工肉を多く摂取する食習慣は、直腸がんのリスクを高めると報告されています。これらの食品には、加熱時に発生する発がん性物質や、保存料・添加物なども含まれており、過剰摂取には注意が必要です。
また野菜や果物などに含まれる食物繊維が不足すると、腸内の有害物質の排出が滞り、腸内環境が悪化します。便秘になりやすくなることで発がん性物質が長時間腸内にとどまり、直腸がんのリスクがさらに高まる可能性があります。
予防のためには以下のような取り組みが効果的です。
- ● 食物繊維を含む野菜・果物・豆類・穀類を意識的に摂る
- ● 脂質の摂取を控えめにする(特に動物性脂肪)
- ● 味噌や納豆、漬物などの発酵食品を食事に取り入れ、腸内環境を整える
【原因①-2】飲酒・喫煙
アルコールは体内で肝臓によりアセトアルデヒドに代謝されますが、この物質には発がん性があることが知られています。
喫煙についても、たばこの煙に含まれる多数の発がん性化学物質が、血流を通じて全身に拡散されることが確認されています。
- ● アルコール摂取量を適量に抑える、休肝日を設ける
- ● 禁煙に取り組む、受動喫煙の環境を避ける
- ● 飲酒と喫煙の併用習慣を見直す
【原因①-3】運動不足
運動不足により基礎代謝が低下すると、内臓脂肪を蓄積しやすくなります。脂肪細胞からはサイトカインなどの慢性的な炎症反応を引き起こす物質が分泌され、がん化を促す一因となると考えられています。
- ● 毎日30分程度のウォーキングや軽い筋トレを習慣化する
- ● 通勤時に階段を使うなど、日常生活に運動を取り入れる
- ● 長時間の座り仕事では1時間ごとに立ち上がって体を動かす
【原因2】加齢
直腸がんは、加齢に伴って発症率が上昇する傾向にあります。特に50歳以降は罹患率が急増し、70代や80代にも多いです。
※参考:がん情報サービス.「がん種別統計情報 直腸」.
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/7_rectal.html
(参照2025-07-18)
【原因③】家族歴や遺伝子変異(家族性大腸腺腫症など)
直腸がんには遺伝的な体質が関与する場合があります。
※参考:日本遺伝性腫瘍学会.「リンチ症候群」.
https://jsht-info.jp/general_public/abouts/hnpcc/
(参照2025-07-17)
※参考:日本遺伝性腫瘍学会.「遺伝性腫瘍とは」.
https://jsht-info.jp/general_public/abouts/fap/
(参照2025-07-17)
直腸がんの症状

直腸がんは、初期の段階では自覚症状がほとんどないケースが一般的です。しかし、病状が進行するにつれて、次第に特徴的な症状が現れるようになります。
※参考:がん情報サービス.「大腸がん(結腸がん・直腸がん)について」.
https://ganjoho.jp/public/cancer/colon/about.html
(参照2025-07-18)
血便(便に血が混じる)
直腸がんの初期症状として多く見られるのが血便です。
排便習慣の変化(下痢と便秘の繰り返し)
腫瘍が腸内で便の通過を妨げると、便秘と下痢を繰り返すようになります。
残便感
排便後に便が残っているような感覚が続くことがあります。
便の形状の変化(便が細くなる)
腸の内腔が狭くなり、便が細くなることがあります。
腹痛や腹部の不快感
閉塞や炎症により腹痛が生じることがあります。
貧血・倦怠感
慢性的な出血により貧血を起こすことがあります。
食欲低下・体重減少
進行に伴い体重減少がみられることがあります。
直腸がんの治療法
直腸がんの治療は、がんの進行度・腫瘍の位置・転移の有無・患者の体力や生活背景などを踏まえて総合的に判断されます。
内視鏡治療
がんが粘膜内にとどまっている早期では内視鏡切除が行われます。
手術療法
がんの位置や深さに応じて術式が選択されます。
薬物療法(抗がん剤治療)
再発予防や進行がんに対して行われます。
放射線療法
局所再発予防を目的として行われます。
免疫細胞治療
標準治療と併用される場合があります。
※参考:がん情報サービス.「大腸がん(結腸がん・直腸がん)治療」.
https://ganjoho.jp/public/cancer/colon/treatment.html
(参照2025-07-18)
まとめ
直腸がんは複数の要因が重なって発症するがんです。 早期発見のためには、症状の有無に関わらず定期的な検診が重要です。
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