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胸水とは?体内にたまる原因や検査・治療方法などを分かりやすく解説

胸水とは?体内にたまる原因や検査・治療方法などを分かりやすく解説

投稿日:2026年07月24日

更新日:2026年07月24日

最近「息切れがする」「胸が苦しい」と感じることはありませんか。がん治療中の方やそのご家族の中には、こうした症状が続き不安を抱えている方もいるのではないでしょうか。その原因の一つとして考えられるのが「胸水」です。

胸水は自覚しにくい場合もあり、いつ受診すればよいのか迷ってしまうことも少なくありません。

そこで本記事では、胸水とは何かなぜたまるのか、どのような症状が現れ、どのような検査や治療を行うのかを分かりやすく解説します。正しい知識を知ることで、医師に相談する一歩へのきっかけにしてください。

<この記事で分かること>

  • ● 胸水とは何か、体内でたまる仕組みと主な原因
  • ● 息切れや胸苦しさなど、注意したい症状と悪化のサイン
  • ● 検査や治療方法を知り、受診の目安を整理できる

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胸水とは?

胸水とは、肺を覆っている2枚の胸膜の間にある胸膜腔と呼ばれる空間に、液体が異常にたまった状態を指します。

胸膜腔は肺が呼吸に合わせて滑らかに動くためのスペースで、健康な方でも10〜20mL程度の胸水が潤滑油の役割として存在しています。

この量が過剰に増えた場合に診断されるのが「胸水」です。肺の中に水がたまる「肺水腫」とは異なり、胸水は肺の外側に液体がたまる点が大きく異なります。「水がたまる=全て異常」と考えるのではなく、量や原因を見極めて適切な対応をすることが重要です。

胸水の分類とそれぞれの主な原因疾患

胸水は体内で水分がたまる仕組みによって「滲出性(しんしゅつせい)胸水」と「漏出性(ろうしゅつせい)胸水」の2つに分類されます。この分類は、原因疾患や治療方針を考える上で重要です。

ここでは、それぞれの特徴や発生する主な原因について詳しく解説します。

滲出性胸水

滲出性胸水は、炎症やがん細胞の影響によって血管の透過性が高まり、タンパク質を多く含む液体が血管外へ漏れ出すことで生じます。片側にたまる傾向がある点が特徴です。

主な原因としては、細菌性肺炎や膿胸、結核性胸膜炎などの感染症が挙げられます。また肺がんや乳がん、悪性リンパ腫、卵巣がん、胃がんなどの悪性腫瘍が原因となるケースもあり、これらの場合がん細胞が胸膜へ転移・播種し、炎症やリンパの流れの障害を引き起こすことで胸水がたまりやすくなります。さらに、膠原病などの自己免疫疾患が関与することもあります。

漏出性胸水

漏出性胸水は、血管内の圧力変化や血液中の成分バランスの乱れによって、水分がしみ出すことで起こります。液体はさらさらとしており、左右両側にたまるのが多い点が特徴です。

漏出性胸水の代表的な原因疾患の一つが心不全です。心臓のポンプ機能が低下すると血管内圧が上昇し、水分が胸膜腔へ移動しやすくなります。

また肝硬変も原因疾患の一つです。血液中のアルブミンが低下する低アルブミン血症を引き起こすと、血管内に水分を保つ力が弱まり胸水が生じることがあります。

さらに腎不全やネフローゼ症候群でも、尿中へタンパク質が漏れることによる低アルブミン血症や腎機能低下による体内への水分貯留が起こるため、胸水が生じる原因となり得るでしょう。

このように漏出性胸水は胸の病気だけでなく、全身の状態と深く関係しており、全身のむくみと併発するケースも見られます。

胸水がたまるメカニズム

胸水は本来であれば、体内で常に作られては吸収されることで、一定量が保たれています。「壁側胸膜」の毛細血管から産生され「臓側胸膜」やリンパ管によって吸収される仕組みです。このバランスが崩れると胸水が過剰にたまるようになります。

滲出性胸水では炎症などにより血管の透過性が高まり、水分やタンパク質が漏れ出しやすくなる場合や、がん細胞などがリンパ管をふさぎ、吸収が妨げられる場合があります。

一方の漏出性胸水では、心不全などによる静水圧の上昇や、先述の通り低アルブミン血症による膠質浸透圧の低下が関与します。

胸水の症状

胸水がたまると肺が圧迫されることでさまざまな症状が現れます。

代表的なのは呼吸困難や息切れです。初期は運動時のみ感じることが多いですが、胸水が進行すると安静時にも苦しくなる可能性があるでしょう。

胸膜に炎症が及ぶ場合は、胸痛が生じ深呼吸や咳で痛みが強くなることがあります。また肺への刺激により乾いた咳が出やすくなるケースや、仰向けになると呼吸が苦しくなる「起座呼吸」が見られるケースもあります。その他、全身倦怠感や食欲不振、体重減少、発熱なども、胸水の症状の一部です。

胸水が少量でゆっくりたまる場合は無症状のこともありますが、急激に増えると強い症状が出る可能性があるため、気になる変化があれば速やかに医師に相談しましょう。

胸水の検査方法

胸水が疑われる場合、まず画像診断で状態を確認するのが一般的です。

胸部レントゲンやCTなどの画像診断では、胸水の量や位置を把握できます。胸水が生じている場合、画像上で白く写るのが特徴です。超音波検査は、次に行う胸腔穿刺で針を刺す部位を決める際に役立つでしょう。

次に行うのが胸腔穿刺です。細い針で胸水を採取し性状を調べることで、滲出性か漏出性かを判断します。胸水中のタンパクやLDHなどを血液中の値と比較し、一定基準を超えれば滲出性と判断される仕組みです。また必要に応じて、がん細胞や細菌の有無を調べる病理検査や培養検査も行います。

検査は一度に全て実施するわけではなく、患者さんの状態に応じて選択します。

胸水の治療方法

胸水の治療は、まず原因となっている疾患の治療を行うのが基本です。その上で息苦しさなどの症状を和らげる目的で、胸水自体に対する対症療法を行います。

治療内容は状態により異なるため、一般的な情報として参考にし最終判断は医師と相談しましょう。

胸腔ドレナージ

胸腔ドレナージはたまった胸水を体外に排出するための処置です。

局所麻酔を行い、肋骨の間から細いチューブ(ドレーン)を挿入して胸水を外に出します。肺の圧迫を取り除き、呼吸を速やかに和らげることが主な目的です。

また排出した胸水の性状を確認し、原因の推定や今後の治療方針を考える材料にします。処置自体は20〜30分程度で完了しますが、胸水の量や状態によっては数日間チューブを留置して継続的に排液する場合もあります。

胸腔ドレナージは症状が強い場合に選択されやすく、一時的な症状緩和を目的として行うことが多い処置です。医師や医療スタッフの管理下で、患者さんの全身状態を見ながら慎重に進めます。

胸膜癒着術

胸膜癒着術は胸水が繰り返したまる場合に検討される治療法です。特に悪性胸水などで、胸腔ドレナージを行っても再貯留を繰り返すケースで選択します。

この治療では、まず胸腔ドレナージで胸水を十分に排出した後、ドレーンから薬剤を注入します。薬剤によって胸膜に炎症を起こし、肺を覆う胸膜同士を癒着させることで、胸水がたまるスペースをなくすのが目的です。

この治療法は肺がしっかりと再膨張していることが実施の条件となり、全ての患者さんに適応できる治療ではありません。全身状態や病状、生活への影響などを総合的に考慮して判断します。

胸膜癒着術は再発予防を目的とした選択肢の一つであり、実施にあたっては医師から十分な説明を受け、納得した上で進めることが大切です。

胸水を抜く際に注意すべきこと

胸水を抜く処置には、いくつか注意点もあります。

大量の胸水を急に排出すると、圧迫されていた肺が急激に膨らみ再膨張性肺水腫を起こす可能性があるため、時間をかけて慎重に行う必要があります。

また針やチューブを挿入することで、気胸や出血、感染が起こる場合があるでしょう。胸水にはタンパク質などの栄養分が含まれるため、頻回に抜くと低アルブミン血症が進み、かえって胸水がたまりやすくなる場合もあります。

処置の必要性や頻度は、医師の判断の下で慎重に決めなければなりません。

緩和ケアや在宅療養・訪問医療も活用しよう

胸水による息苦しさや痛みは、体だけでなく心にも大きな負担になるでしょう。そのため治療と並行して早い段階から緩和ケアを取り入れ、苦痛を和らげることが大切です。緩和ケアは治療段階に限らず、いつでも受けられる支援です。

近年では胸腔ドレーンを留置したまま退院し、自宅で管理する在宅療養を選ぶ方も増えています。訪問看護師や訪問医が連携し、ドレーン管理や体調の変化を見守る体制が整えられていることも多く、住み慣れた自宅で過ごしたいという希望がかなう場合もあるでしょう。

またがんが原因の胸水では、標準治療が難しいケースで免疫療法や光免疫療法などが検討されることもあります。治療と生活の質(QOL)の両立を意識しながら、選択肢を考えていきましょう。

まとめ

胸水は原因やたまり方によって症状や対応が異なります。息切れや胸の苦しさが続く場合は、検査で原因を確認し、状態に合った治療やケアを選ぶことが大切です。特にがんによる胸水では、治療法や症状緩和の方法に加えて、必要に応じて在宅療養も検討できます。

「どの治療が自分に合うのか」「今後の生活をどう考えるか」は、一人で判断するのが難しい問題です。医療機関で相談し治療方針を整理することで、不安が軽くなる場合もあります。

瀬田クリニック東京は、1999年に国内初の免疫細胞治療専門医療機関として開院しました。長年にわたる豊富な治療実績と専門医による診療体制の下、一人ひとりの状態に合わせた相談が可能です。胸水による症状や今後の治療方針についてお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

瀬田クリニック東京について

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