水際対策緩和
院長ブログ
新型コロナウイルスは2022年5月30日時点において、全国の検査陽性者数は12,066人、重症者数は93名とまだまだ、少ないとは言えませんが、第6波のピーク時での各々、100,000人以上、1,500人以上からは十分に減少してきました。これは自粛による移動、行動制限による効果もないとは言えませんが、やはり、ワクチンおよび自然感染により新型コロナウイルスへの免疫を獲得した結果の集団免疫によるところが大きいと思います。このような情勢の中、6月1日から水際対策が緩和され、入国者の上限が1万人から2万人へ倍増されました。
先日、韓国から日本へのインバウンドの患者さんを広く受け入れている医療機関の方とお話しする機会がありました。瀬田クリニック東京では韓国の患者さんはほとんどいらっしゃいませんが、その医療機関では以前から、韓国から大勢のがん患者さんが免疫細胞治療を受けに来ています。羽田~ソウル(金浦)のフライト時間は2時間程度ですので、海外とは言っても、日帰りでの往来も十分に可能です。
韓国では免疫細胞治療の1つが医薬品となっており、以前から主に肝臓がんの治療に使われています。肝臓がんで手術やラジオ波を受けた後の方が対象となっています。韓国食品医薬品安全庁(MFDS=旧KFDA)が承認した、薬品名はImmuncell-LCという名前になっています。
Immuncell-LCは活性化自己リンパ球療法(アルファ・ベータT細胞療法)とほぼ、同様の製剤ですが、医薬品承認されるまでに多額の費用を費やして治験が行われたため、かなりの高額な価格になっています。そのため、旅費を使っても日本で治療を受ける方が安く、また、日本の先端技術に対する信頼度も高いため、来日して治療を受けて帰る韓国人の患者さんが後を絶たないそうです。とは言え、コロナ禍で日本および韓国内への入国時には隔離されるようになり、来日が止まっていました。最近、ワクチン接種者には入国時の隔離がなくなり、再開したようです。
政府は外国人観光客の受け入れ再開に向けて、今月中にも旅行会社が行動管理をする少人数のパッケージツアー形式で 実証事業を行うと発表しました。観光客も大勢、来日し、また、以前のような活気のある世の中になることを願っています。
◆院長ブログバックナンバー
→免疫細胞治療とオプジーボ® #④
→ご家族で受ける免疫細胞治療#2
→明るい心、前向きな気持ちで~膵臓がん患者さんの長期症例紹介~
→新型コロナウイルス感染と免疫不全