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ご家族で受ける免疫細胞治療 #2
院長ブログ

2021年12月28日

ご家族で受ける免疫細胞治療

瀬田クリニックは1999年の開院から22年以上が経ちました。ご親族の中の何名かががんに罹患し、皆様が免疫細胞治療を受けられた場合も少なくないことを2021.10.25のブログ「ご家族で受ける免疫細胞治療」でもお伝えしました。

私がまだ、若い医師であった昭和の時代では「がんは遺伝しない」と信じられていました。しかし、その後、がん細胞は遺伝子の異常(変異)により生じること、この遺伝子の変異を修復する機能が遺伝的に低下しているとがんが高率に発生すること、遺伝子変異の多いがん細胞はT細胞の攻撃を受けやすいことなどが解明されました。それに伴い、実は遺伝性のがんがある程度の割合で存在することが知られるようになりました。
先日、瀬田クリニック東京を受診された患者さんも遺伝性のがんで、これまで既に4種類のがんに罹患したことがあります。幸い、早期に診断され、いずれも手術により切除することで完治していました。しかし、今回のがんは発見時に既に肝臓、骨に転移しており、手術不能でした。1年近くの間、抗がん剤やキイトルーダなどでの治療を受けていましたが、効果が無く、がんは進行し、標準治療がなくなった時点で瀬田クリニック東京を訪れました。
お話しをうかがうと、お姉様が以前に瀬田クリニック東京で20年以上前に治療を受けたことがわかりました。お姉様は首(左鎖骨上)のリンパ節まで転移が進んだ子宮がんでしたが、治療がうまくいき10年以上前に瀬田クリニック東京も終了となっています。症例紹介(症例①)で詳細をご報告しています。

一番最近の診察には、お姉様もご一緒にいらっしゃって下さいました。瀬田クリニックが世田谷区の瀬田にあった頃の患者さんです。とても、懐かしく、10年以上ぶりにお会いしましたが、70代という年齢にはみえないくらいにとってもお元気でした。
私とご本人は、お姉様以上に良くなることを期待して治療を開始しました。既に標準治療は二ヶ月前に終了していましたので、免疫細胞治療単独での治療です。血液検査でリンパ球数の減少が顕著でしたのでアルファ・ベータT細胞療法を開始しました。治療を4回終えたところで、CTにより効果を評価しました。

治療開始前
CT画像
4回の治療後
CT画像

免疫細胞治療については、まだ治療途中ですが既に良い結果が得られています。ただし、良好なQOLを維持しつつ長期生存をはたすことが治療の目標ですから、今後の経過が大切です。このように治療を開始した早い段階から強い抗腫瘍効果が得られる方は少ないので、その点も考察し、今後の経過を加えた上で、後日、症例紹介のページで詳細を報告したいと思います。

私のブログは、今年はこれで最後となります。
皆さんお読みいただきありがとうございました。
今年は新型コロナウイルスの影響で仕事や生活の制限を受けることが多い一年でした。ウイルスも、アルファ株、ベータ株、デルタ株、それにオミクロン株と、さらに今後もずっと変異株の出現は続いていきます。特定のウイルスへの免疫を発動させるワクチンも必要ですが、やはり、身体の免疫機能が原点です。どのウイルスにも負けない身体を作って、来年も元気で参りましょう。
みなさま、どうぞ良いお年をお迎えください。
来年もよろしくお願い致します。

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◆院長ブログバックナンバー
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-新型コロナウイルス感染と免疫不全
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-明るい心、前向きな気持ちで~膵臓がん患者さんの長期症例紹介~

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