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舌がんに対する免疫細胞治療の症例紹介

瀬田クリニックグループでがん免疫療法(免疫細胞治療)を受けられた舌がんの方の症例(治療例)を紹介します。症例は治療前後のCT画像や腫瘍マーカーの記録など客観的データに基づき記載しています。

 舌がんの症例

症例
女性50歳代 女性
治療前のがん細胞の検査に基づき治療法を選択。アルファ・ベータT細胞療法とNK細胞療法を併用し、4年間、通常の生活を続ける舌がん肺転移症例

治療までの経緯

2008年4月頃から舌にしこりを感じていました。2010年頃より痛みや正しく発音できない症状がみられ、3月に大学病院を受診しました。8月、全身麻酔の下で舌の一部を切除して組織検査を実施した結果、舌がんと診断されました。10月、舌がんの追加切除を実施し、2011年1月より、術後の治療としてTS-1と放射線療法を併用しました。2011年9月、左肺に転移性の腫瘍がみつかり、左上葉の一部と左下葉を切除しました。2013年3月、右肺にも転移性の腫瘍(画像①参照)がみつかりました。進行が比較的ゆるやかであること、病変が複数あるため放射線療法が厳しい状況であること、手術も侵襲が大きく、生活の質(Quality of life)を大きく下げる可能性が高いことから積極的な治療はせず、経過を観察することになり、7月、免疫細胞治療検討のため当院を受診されました。

治療内容と経過

がん細胞の目印を調べる検査(免疫組織化学染色検査)の結果より、樹状細胞ワクチン療法の適応は低いと判断し、2013年8月よりアルファ・ベータT細胞療法を開始しました。10月のCT検査にて肺の転移巣の増大が確認(画像②参照)されたため、5回目の治療よりNK細胞療法へ変更しました。2014年6月のCT検査(画像③参照)では、肺の転移巣は不変な状態でした。NK細胞療法を6回受けた後、免疫の状態を調べる検査(免疫機能検査)を実施したところ、治療前の検査結果と比較するとガンマ・デルタT細胞の比率は著明に増加し、アルファ・ベータT細胞の比率は正常化、キラーT細胞およびNK細胞の比率は保たれていました。そのため、NK細胞療法の治療間隔を3ヶ月毎に延ばしました。2015年3月の免疫機能検査では、抑制性T細胞も正常化したため、 NK細胞療法の治療間隔を4ヶ月毎に延ばしました。6月のCT検査(画像④参照)で軽度の増悪が見られましたが、治療方針は変更しませんでした。12月の免疫機能検査でもNK細胞の比率は前回および前々回と比べても大きな変化はありませんでした。2016年6月のCT検査(画像⑤参照)では病巣は不変な状態を保っており、11月の免疫機能検査はガンマ・デルタT細胞の比率が増加していました。2017年5月のCT検査(画像⑥参照)ではやや増悪傾向がみられますが、不変な状態を保っており、現在もNK細胞療法を継続しています。右肺の転移巣がみつかってから4年が経過しましたが、日常生活に制限なく、現在もお仕事を継続されています。

舌がんに対する免疫療法舌がんに対する免疫療法

考察

本患者さんではがん細胞の目印(MHC class 1)が失われているため、活性化自己リンパ球療法を選択しました。瀬田クリニックグループでは活性化自己リンパ球療法として、3つの治療法を提供しています。一つはアルファ・ベータ(αβ)T細胞療法で、本患者さんでも選択されています。アルファ・ベータT細胞療法はがんを攻撃する力のあるT細胞を全般的に活性化し、数千倍に増やしたT細胞を体内に戻す治療法です。この治療法は、がんに対する攻撃力を高める効果や免疫を抑制する細胞(制御性T細胞)を低下させることにより免疫機能全体を改善する効果があります。また、本患者さんで選択されたもう一つのリンパ球療法であるNK細胞療法は、本患者さんのようにがん細胞の目印(MHC class 1)が失われている場合、特に効率良く働くことが知られており、事実、本患者さんにおいても長期にわたり安定した状態が認められています。

もう一つの活性化自己リンパ球療法は、本患者さんには用いられませんでしたが、ガンマ・デルタ(γδ)T細胞療法というものです。このガンマ・デルタT細胞は細菌やウイルスなどに感染した細胞やがん化をはじめた細胞の変化を素早く感知して攻撃をしかけるといった特徴があります。特に、骨転移のある方、抗体医薬を使用中の方などに用いられます。
このように、瀬田クリニックグループでは患者さんの病状や免疫状態、腫瘍細胞の特徴などを詳しく調べ、それぞれの患者さんに適した治療選択を行っています。

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