文字サイズ

メニュー

×閉じる

当院と連携している全国の医療機関

×閉じる

乳がんに対する免疫細胞治療の症例紹介

瀬田クリニックグループでがん免疫療法(免疫細胞治療)を受けられた乳がんの方の症例(治療例)を紹介します。症例は治療前後のCT画像や腫瘍マーカーの記録など客観的データに基づき記載しています。

症例①
女性56歳 女性
アルファ・ベータT細胞療法とWT1ペプチベータによる樹状細胞ワクチン療法が有効であった乳がんの全身転移の一例

治療までの経緯

2013年、左乳房の出来物に気付いたものの放置していたところ、翌年5月になって腰の痛みと呼吸の苦しさを感じるようになりました。すぐに病院で検査すると、左乳がん、多発性骨転移(ステージ4)、リンパ節転移および両肺癌性リンパ管症と診断されました。治療をしなければ余命3カ月と告げられました。
主治医からは化学療法とホルモン療法を提示されましたが、副作用を気にされ拒否。症状緩和のためのステロイド剤や鎮痛剤(オピオイド)を服用されていました。
その後、ご自身で免疫細胞治療のことを調べられ、2014年6月に当院に来院されました。

治療内容と経過

乳がんに対する免疫療法左が治療前(2014年6月)、右が治療後(2015年6月)。
全身に転移したがん細胞(黒い部分)が大幅に減少している。

来院後、ご自身に最も適した治療戦略を立てるために、自身の免疫細胞の状態を調べる免疫機能検査(FCM検査)や、がん細胞のタイプを調べる免疫組織化学染色検査を実施。
検査結果を踏まえ、まずはアルファ・ベータT細胞療法より開始し、その後、MUC1、HER2およびWT1ペプチベータを用いた樹状細胞ワクチン療法を受けられました。
治療開始後、2カ月後には呼吸困難も徐々に緩和し8カ月後には在宅での酸素吸入も必要なくなりました。
疼痛も軽くなり、ステロイド剤や鎮痛剤の服用もやめ、治療開始から1年経過時のPET/CTでは、治療前に比べがん細胞の著しい減少が認められました。
現在(2016年1月)では旅行などを楽しみながら、治療を継続されています。

考察

広範囲に転移した乳がん細胞が大幅に減少した例です。
この患者さんは免疫機能検査の結果、免疫の状態が良好であり、もともと免疫細胞治療の効果が発揮しやすい状況でしたが、ステージ4期の乳がんがここまで回復したことは特筆すべき著効例の一つです。

症例リストに戻る

症例②
女性61歳 女性
免疫細胞治療とビスフォスフォネートが有効であった乳がんの全身多発骨転移の一例

治療までの経緯

乳がんのため右の乳房を全切除後、経過観察を行っていたが、2001年4月に腰痛があったため検査したところ、骨への再発(多発性骨転移)と診断されました。ホルモン療法が効かないタイプのがんだったため、抗がん剤治療を勧められましたが患者さんは辞退。
温熱療法を受けた後、緩和ケアを受けていましたが、痛みが強くなってきたため、2002年に瀬田クリニックグループ(東京)を受診。

治療内容と経過

治療前の骨シンチ

初診時は脊椎、骨盤、頭骨、胸骨、肋骨などに転移が見られ、痛みが強く車椅子を使用するほどでした。アルファ・ベータT細胞療法を2週間間隔で4回実施後、腫瘍マーカー(CEA,CA15-3)の値はやや下がったものの痛みに変化はありませんでした。
しかし引き続き、4週間間隔でビスフォスフォネートと併用したところ、痛みが次第に軽くなり、6月には腫瘍マーカーの値も著しく低下。8月には痛みがとても軽くなったとのことで、以降は経過観察となりました。

ビスフォスフォネート乳がんに対する免疫療法breast_cancer_c

考察

ビスフォスフォネート製剤であるパミドロン酸ニナトリウム(アレディア®)は骨転移に伴う病的骨折等の骨関連の合併症の発生を減少させ、痛みを軽減させる作用が臨床試験により証明されています。
腫瘍そのものを小さくする作用は明らかになっていないものの、近年の研究から、Tリンパ球の一つガンマ・デルタT細胞を活性化させることが明らかになりつつあります。そのため、ビスフォスフォネートと免疫細胞治療とを併用することで、相乗効果で腫瘍を小さくしたり消したりする可能性が期待されます。

症例リストに戻る

症例③
女性60歳代 女性
HER2抗体医薬とガンマ・デルタT細胞療法、NK細胞療法併用で8年間治療中の再発乳がん症例

治療までの経緯

2005年6月、左乳房のしこりを自覚し病院を受診した結果、乳がんと診断されました。8月に乳房温存手術を受けましたが、翌年6月に手術した左乳房と腋のリンパ節に転移がみつかり、再度、乳房の腫瘍を摘出する手術を受けました。手術後に抗がん剤治療としてエンドキサンとアドリアシンと5-FUの3剤を使用した治療(CAF療法)を4コース実施しましたが、11月に左乳房の再発と診断され、左乳房の全摘出と腋のリンパ節を切除する手術を受けました。手術後にタキソールを3コース実施し、2007年4月からはハーセプチンへと変更しました。同年9月、皮膚への浸潤および肺と胸椎への転移がみつかったため、10月よりハーセプチンとタキソテールの併用を開始し、同月、免疫細胞治療検討のため当院を受診されました。

治療内容と経過

2008年10月よりハーセプチン+タキソテール+ゼローダ の3剤とガンマ・デルタT細胞療法の併用、骨転移部位への治療としてゾメタを開始しました。約4年間のガンマ・デルタT細胞療法の後、2012年10月からはNK細胞療法に変更し、抗がん剤の治療も継続しています。乳がんと診断されてから12年以上、再発してから11年以上が経過し、がん性リンパ管症、リンパ節、胸椎、肝臓、肺への転移が認められますが、肺の転移病巣は不変を維持し、腫瘍マーカーは正常範囲で推移しており、日常生活も問題なく過ごされています。

ガンマ・デルタT細胞療法と化学療法(抗体医薬含)との併用・NK細胞療法と化学療法(抗体医薬含)との併用

考察

ステージⅣおよび再発乳がんの平均生存期間中央値(その集団において、半分の患者さんが亡くなられるまでの期間)は24~28ヶ月と治癒が難しい状況が報告されています。この患者さんが使っているハーセプチンという抗体医薬は、がんの表面に結合し、免疫細胞を呼び寄せ、その免疫細胞にがんを攻撃させます。抗体医薬に呼び寄せられる性質も持つ免疫細胞にガンマ・デルタT細胞やNK細胞があり、それらの免疫細胞治療と組み合わせることで、抗体医薬による効果の増強を期待しました。その結果、パージェタやハーセプチンといった抗体医薬との併用により、肺の転移病巣は縮小し、その後も増悪なく安定した状態を維持しています。

症例リストに戻る

来院のご予約はこちら

このページの先頭へ

 
このページの先頭へ
×閉じる