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再生・細胞医療に係る安全性・倫理性の更なる向上について

2011年より樹状細胞やiPS細胞など再生・細胞医療分野でのノーベル賞受賞が相次ぎ、医学・医療界ではこれまで以上に再生・細胞医療に対する注目が集まっています。また本年は、再生医療における基本法制定や再生・細胞医療にふさわしい制度とするための薬事法改正、医療法での再生・細胞医療の取り扱いの改革等の動きがあり、まさに再生・細胞医療の新たな飛躍の年となることが期待されます。
医療法人社団滉志会瀬田クリニックグループは、1999年3月、国内初の免疫細胞治療専門の民間医療施設として瀬田クリニックを開院し、以降13年間で、約15,000名に対し延べ約12万回以上の治療を提供して参りました。その間、自己細胞の投与によって患者さんに侵襲を与えるような事故は経験しておらず、細胞加工の安全性及び治療の安全性を追求・実証して参りました。

瀬田クリニックグループでは、免疫細胞治療の科学性・安全性・有効性の確保を最重要活動の一つと捉え、2003年には数多くの外部有識者を交えた「倫理委員会」を設置し、更に2009年には個別に実施していた臨床研究の精度向上を目的として「臨床研究センター」を開設致しました。また、2010年には外部有識者を交えた「経営品質評価委員会」を立ち上げ、治療の科学性・安全性・有効性に加え経営の健全性・継続性に関しても内外から徹底した評価を受ける体制を整備致しました。

一方、厚生労働省では2009年から、再生医療における制度的枠組みに関する検討会(*1)が開催(代表の阿曽沼元博が委員を務めました)され、2010年にはその議論の結果として厚生労働省通知「医療機関における自家細胞・組織を用いた再生・細胞医療の実施について・医政発0330第2号」(以降、「厚生労働省通知」)(*2)が発出されました。医療法の下で、免疫細胞治療を含む再生・細胞医療を実施する為の必要要件、更には複数の医療機関において共同で再生・細胞医療を実施する上での必要要件が公に示されました。

(*1) 再生医療における制度的枠組みに関する検討会
開催要項 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/04/dl/s0406-5a.pdf
委員名簿 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/04/dl//s0406-5b.pdf
平成21年度(2009年度)取りまとめ http://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/02/dl/s0223-3a.pdf
平成22年度(2010年度)取りまとめ http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000017446-att/2r9852000001745n.pdf

(*2) 厚生労働省通知 http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryou/dl/tuuti_220330.pdf

瀬田クリニックグループでは、上記通知・要件を遵守すべく、組織を挙げて自主的な点検を行い、また連携医療機関の方々にも通知・要件を理解頂き、点検頂くことをお願いして参りました。
今後、その経緯を皆様にご報告しつつ、免疫細胞治療に関するより高い科学性・安全性・有効性を確保するための取り組みを続けることで、治療の高質化に協力頂いている連携医療機関の先生方や、患者さんを紹介して頂いている先生方、そして何より患者さんとそのご家族からの信頼を獲得して参りたいと考えます。

以下に、その取り組みの一端をご紹介させて頂きます。各活動の詳細な内容に関しては以下リンクにてご紹介しているほか、今後随時WEBサイト上で開示していく予定でございます。
是非、皆さまにはお気づきの点などありましたら、ご指導をよろしくお願い申し上げます。

医療法人社団滉志会
阿曽沼元博
理事長重則


■倫理委員会の設置

免疫細胞治療及び関連する医療を行うにあたり、「瀬田クリニックグループ倫理委員会」を設置しています。2003年2月に第一回を開催して以来、27回の実施を数え、提供する医療の倫理面や安全管理等について外部有識者を交えて審査・評価しています。
2010年3月発出の厚生労働省通知では、再生・細胞医療実施に関し、連携医療機関を含めて倫理委員会での審議が必要とされています。既に医療連携を実施している連携医療機関の中には倫理委員会が設置されていない施設もあったため、瀬田クリニックグループ倫理委員会(第25回)において、連携医療機関でも通知内容の理解に基づいた自己点検活動が実施されていることを報告し、治療継続が承認されました。また、今後の医療連携を希望する医療機関のうち倫理委員会を有さない組織に関しては、その医療機関からの付託を受けた上で瀬田クリニックグループ倫理委員会にて審議することの実効性検証を含め、今後の活動の充実を図って参ります。
倫理委員会構成メンバーやこれまでの取り組みなど詳細に関しては下記をご参照ください。
http://www.j-immunother.com/dr/ethicsboard.html

■治療実施に係るガイドライン

瀬田クリニックグループでは、『治療用自己免疫細胞の加工に係る構造設備基準』及び『治療用自己免疫細胞の加工に係る品質管理基準』を、治療用細胞加工における統一的な安全管理および品質管理基準として、免疫細胞治療を提供する他の医療機関やその支援企業と共同で策定し、2007年に「自主基準」として厚生労働省に提出致しました。
その後、2010年3月に発出された厚生労働省通知を受け、複数の医療機関において共同で再生・細胞医療を実施する場合の要件についても再確認し、基準を修正改善した上で各細胞加工施設(新横浜、大阪、福岡)にて自主的に運用しています。なお、2012年9月12日に実施された「ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針の見直しに関する専門委員会」での議論も加味した修正も必要と考え、関係各機関と協議を進めております。
上記取り組みにより、患者さんに侵襲を与えるような事故を一度も経験せずに12万回以上の細胞加工を実施してきた実績と経験を生かし、学会や行政に対して積極的な提言を行って参ります。
細胞培養施設の安全性について
http://www.j-immunother.com/therapy/technology.html

■厚生労働省通知の公的基準に基いた自主的な点検活動

2010年3月の厚生労働省通知発出により、自家細胞・組織を用いた再生・細胞医療の実施要件が明確化されました。瀬田クリニックグループでは、2010年4月に自己点検評価チームを発足させ、上記通知要件に基づき、医療実施体制の自己点検活動を実施しています。また、連携医療機関との共同診療体制においても同様に自己点検活動を実施し、地域医療連携講習会(合同カンファレンス及び症例報告・検討会として開催)等で点検結果を報告・共有しています。昨年は東京、大阪、福岡で開催致しましたが、本活動を踏まえた必要な対策を講じることで、これまで以上に患者さんに安心して免疫細胞治療を受けていただけるように努めて参ります。

■安全な検体輸送体制の構築

再生・細胞医療を行う医療機関においては、安全性の高い検体(血液、加工細胞等)の輸送体制の確立が求められています。瀬田クリニックグループでは、累積12万回以上の臨床用細胞加工に際し全面的な技術支援を頂いている株式会社メディネットの「輸送温度制御技術」や特殊な専用容器など独自の輸送技術・ノウハウを活用し、同社と協働しながら、世界保健機関 (WHO)のガイドライン (感染性物質の輸送規則に関するガイダンス) に準拠した安定的な輸送管理体制を築いて参りました。
そして、2010年3月に発出された厚生労働省通知を受け、更なる安全性・トレーサビリティー確保に向けた取り組みとして、株式会社近鉄ロジスティクス・システムズと提携し「カテゴリーB準拠」での輸送網を構築致しました。今後も、より安全性の高い検体の輸送体制を確立し、再生・細胞医療の健全な普及・発展のため、様々な取り組みを行って参ります。
詳細に関しては下記をご参照ください。
http://www.j-immunother.com/upload/docs/20120727information.pdf

■治療の有効性評価について

免疫細胞治療を普及医療として広く患者さんに提供するためには、科学的根拠に基づく医療(EBM)推進のための臨床エビデンスの収集・構築が欠かせません。瀬田クリニックグループでは、大学病院・中核病院等との共同臨床研究等により臨床エビデンスの収集・構築に取り組んでおり、昨年も順天堂大学・日赤医療センター・株式会社メディネットとの四者間契約を締結するなど、積極的な共同研究活動を継続しております。また今後、大学病院や地域がん診療拠点病院等との共同臨床研究をより高質化し、免疫細胞治療専門施設として先進医療が実施できる体制を目指して参ります。
免疫細胞治療は自己細胞を自らの治療に活用し、患者本人を特定する(“帰属上の一身専属性”を有する)治療であるため、その有効性評価方法に関しては、不特定多数を対象とする抗がん剤などの薬剤とは自ずと異なります。抗がん剤のような短期的な腫瘍縮小効果などではない、免疫細胞治療にふさわしい有効性評価のあり方、例えば患者さん個々における免疫機能検査(*3)・バイオマーカーの検知結果、各種免疫細胞のバランス評価とPS(Performance Status)の相関、更には生活の質(QOL)を加味した生存期間の考え方などに関しても今後の研究対象となって参ります。
共同臨床研究の詳細は以下サイトをご覧ください。
http://www.j-immunother.com/dr/evidence/index.html
瀬田クリニックグループの治療成績
http://www.j-immunother.com/therapy/achievements.html
部位別の症例報告
http://www.j-immunother.com/therapy/case/

(*3)免疫機能検査:免疫機能を担っているリンパ球などの細胞の状態を数値化し、免疫機能の状態を把握する検査です。治療実施前後の免疫機能を調べることによって、治療効果を判断するための材料の一つにもなります。この検査は瀬田クリニックグループ臨床研究センターと株式会社メディネット先端医科学研究所との4年間の共同研究の成果であり、検査精度向上の為に同社と臨床検査会社最大手のエスアールエルが協働して検査を実施して参ります。

以上

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