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生命は複雑神秘であり、最適な治療法も千差万別。
それに応じたオーダーメイドの治療を提供していくことが必要です。医師コラム/後藤重則理事長

2019年7月22日

医療法人社団滉志会・理事長の後藤重則です。
今回から、この「瀬田クリニック通信」で医師のコラムを掲載することとなりました。初回は、私がこれまでどのような医療を実践してきたのか、そして、何故このクリニックで免疫細胞治療を実施しているのか、そのあたりをテーマにお話ししたいと思います。宜しければお付き合いください。

 大学病院等での臨床現場や研究で、がん治療における免疫の力を実感

当院で免疫細胞治療を提供する以前は、地元の大学医学部付属病院や県立のがんセンターで婦人科腫瘍を専門に、手術、化学療法などを実施していました。

そうした臨床の現場でがんの治療に携わる一方、免疫学に興味をもち、研究を続けていました。習慣流産やがんに対する免疫療法に注力していましたが、1992年からは、大学病院で免疫療法外来を開始しました。がんに対するサイトカイン療法、養子免疫療法など様々な免疫療法を実践したところ、とても良い経過を辿った患者さんの症例を多数経験し、がん治療における免疫の力を実感しました。

そんな折、免疫療法に関する学会で、東大医科学研究所の江川滉二先生と出会いました。江川先生はがん免疫の基礎研究を長年実施されてきた方で、日本癌治療学会の会長を務めていた私の上司とも旧知の仲であり、次第に親交を深めていきました。

瀬田クリニック創設者・江川滉二東大名誉教授(右)と

瀬田クリニック創設者・江川滉二東大名誉教授(右)と

当時、免疫細胞治療は、私が在籍していたような一部の大学病院で研究的に行われているのみでした。
江川先生は長年基礎研究を重ねるなかで免疫治療の効果を確信され、それを望めば誰もが受けられる普及医療にしたいという志をお持ちの先生でした。私を含めた多くの関係者がその志に共感し、1999年、国内初の免疫細胞治療専門の医療機関として瀬田クリニックを江川先生をはじめ多くの方々と協力して開設しました。このあたりの経緯は、「創設者・江川滉二東大名誉教授の“志”」でも詳しく書かれています。

 大切なのは十分な情報公開、真摯な説明、患者さんの権利の尊重

開設以来、瀬田クリニックで20年間診療を続けていますが、最も大切に考えていることは、十分な情報公開と患者さんへの真摯な説明を行い、さらには治療を受けたいという患者さんの権利を尊重することです。

また、治療法の進歩、医療の質の向上を目指した医療者の努力も必要です。1999年の開院当初は数名の医師で診療を開始しましたが、その後、大学病院等との共同研究の推進によるエビデンス構築活動を精力的に行い、それを通じ、多くの先生方に現場の診療にもご参画いただけることになりました。いずれの先生もがん治療に関する高いスキルと専門性を有し、標準治療に従事しながら免疫細胞治療への理解も十分お持ちです。そして何より、がんに苦しむ患者さんを救いたいという強い意志を持ち、免疫細胞治療に取り組んでくださっている先生方ばかりです。

 目の前の患者さんがお元気になることが一番うれしい

当院には、放射線治療、化学療法といわゆる標準治療を受けたにもかかわらずご病気が残念ながら進行してしまい、治療法が尽きていらっしゃる患者さんも多いです。そうした厳しい病状の患者さんが当院で免疫細胞治療を受けて、病気も身体の状態も良くなった時は本当にうれしいです。CTなどの画像ではっきりとそれが示されることももちろん良いことですが、何より、目の前にいる患者さんのお元気な姿を見られるのは素晴らしいことです。

がん患者さんはさまざまな原因により、がん細胞と闘うはずの免疫系の力が落ちていることが多いです。また、他のがん治療の影響で免疫系に破綻をきたしている場合もあります。
こうしたことを考慮すると、免疫の破綻を解消しようとする免疫細胞治療はがん治療に欠かすことのできない治療と考えています。
最近では、やはり免疫系に働きかける薬剤である免疫チェックポイント阻害剤が保険承認され、適用範囲が次々と広がっています。そうした治療と免疫細胞治療を併用した際の安全性や有効性・ならびに免疫反応を検証する臨床研究も実施しています。また、遺伝子異常に基づく患者さん特有のがんの目印・ネオアンチゲンを標的とした樹状細胞ワクチン療法の臨床研究も実施しています。

医学を志した若い頃は、医学も物理学のように一から法則を立てて直線的に解明していけば、「生命」をもっとクリアに理解できると思っていました。でも、数多くのがん患者さんと接してきた今、それは大きな勘違いだったと感じています。生命は複雑神秘で、現在の科学ですべてを解明できるはずはありません。
当院にいらっしゃる患者さんも、病状やがんの性質はもちろん、生活様式、人生観、ものの考え方、価値観、好みなど千差万別であり、複雑神秘そのものです。それに応じたオーダーメイドの治療を提供していくことが必要です。
最適な治療は、患者さんお一人お一人で違うわけです。
そうした治療を一緒に考えていきましょう。

 毎日、あるがままに、かつ、一生懸命に

最後に、私の信条や休みの日の過ごし方についても少し触れたいと思います。
まず、信条は、「日々是好日」。
こだわりを捨てて、どんな境遇でも、毎日、あるがままに、かつ一生懸命生きていけば、好日であり、これが幸せになれる秘訣というのは、人生の実感です。

仕事などに関しても、特に若いときは、雑務ややりたくない仕事をさせられることも多いですよね。でも、どんなにやりたくなくとも、自分なりに工夫し、一生懸命に取り組めば、楽しくできます。
私がかつて行っていた免疫の研究で言えば、患者さんの治療は意欲をもって取り組めますが、膨大な治療データの集計や解析作業などは、正直言って面倒で手間がかかる、気の重い仕事でした。しかし、どのように作業すれば効率的にできるか…あるいは決められた手法だけでなく、一歩違った解析方法を試すとか、鋭意工夫することで楽しくできることがわかりました。

あとは、「人生たった1度だけ」。失敗しようが、やりたいことをやらないと後悔しますね。

休みの日は、ジムに行って、ゆっくり休んで、好きな映画を見たりしています。もっとも数多く観たのは「卒業」です。昔はリバイバルで上映される度に映画館で観ていましたが、今はDVDなどでいつでも観られます。サイモン&ガーファンクルのご機嫌なサウンドと、人間的に弱い主人公(ダスティ)とキュートな相手(キャサリン)のキャスティングが良いですね。ハッピーエンドなところも気に入っています。是非、観てみてください。
それ以外は、高校生の時以来やってなかったギターを最近買ったのでその練習をしているか、余裕があれば旅行に行って、孫がきたら遊ぶという、いたって平凡な休日です。

高校生の時以来のギターに挑戦しています。中々上手く音が出ないですが・・・

高校生の時以来のギターに挑戦しています。中々上手く音が出ないですが・・・

(プロフィール)

後藤 重則

後藤 重則
(ごとうしげのり)

医療法人社団滉志会 理事長
順天堂大学大学院医学研究科
次世代細胞・免疫治療学講座(江川記念 SETA 講座)客員教授

昭和56年
新潟大学医学部 卒業
昭和56年~平成3年
新潟大学医学部 県立がんセンター新潟病院 などで勤務
平成元年
新潟大学医学部助手/医学博士号取得
平成3年~平成7年
帝京大学生物工学研究センター講師 帝京大学医学部講師
平成7年~平成11年
医療法人社団 弘生会 霞ヶ関ビル診療所
平成11年
瀬田クリニック(現瀬田クリニック東京)院長
平成17年
医療法人社団滉志会 理事長 【現任】
平成29年
順天堂大学大学院医学研究科 次世代細胞・免疫治療学講座(江川記念 SETA 講座) 客員教授 【現任】

所属学会など
日本免疫治療学研究会(理事)
バイオ治療法研究会(監事)
日本癌学会
日本癌治療学会
日本再生医療学会 再生医療認定医
日本免疫学会
日本産科婦人科学会
日本バイオセラピィ学会

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