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胃がんに対する免疫細胞治療の症例紹介

瀬田クリニックグループでがん免疫療法(免疫細胞治療)を受けられた胃がんの方の症例(治療例)を紹介します。症例は治療前後のCT画像や腫瘍マーカーの記録など客観的データに基づき記載しています。

症例①
女性56歳 女性
手術不能な状態で化学療法と免疫細胞治療の併用を実施し、手術が可能となった一例

治療までの経緯

図1 2015/4/20(診断時)

2015年1月頃より時々、みぞおちあたりの痛みを感じていました。3月に人間ドックの胃カメラにて2型の胃がん(周りの粘膜との境界が比較的明瞭な潰瘍状の胃がん)がみつかりました(図1)。CT検査の結果、7個以上のリンパ節に転移がみつかり、腹部大動脈周辺にも転移していました。手術によるがん切除ができない状態のため、4月よりシスプラチン、ティーエスワンとハーセプチンの3剤併用化学療法を開始し、5月に免疫細胞治療検討のため当院を受診されました。 当院受診時は、吐き気、嘔吐、食欲不振、おならの増加、胃もたれ、味覚障害、空腹時の胃の痛みがあり、家事などの仕事は息が切れて難しい状況でした。

治療内容と経過

図2 ② 2015/9/9

免疫の状態を調べる検査(免疫機能検査)の結果、2015年6月より3剤併用化学療法にアルファ・ベータT細胞療法とNK細胞療法を交互に併用する治療を開始しました。がん細胞の目印を調べる検査(免疫組織化学染色検査)の結果より、アルファ・ベータT細胞療法とNK細胞療法を2回づつ受けた後、 9月より、3種類の人工がん抗原を使用したペプチド感作樹状細胞ワクチン療法も併用しました。同月にPET検査を受けた結果、胃とリンパ節の集積はみられなくなりました(図2)。

10月、CT検査の結果より、主治医から手術を勧められましたが、免疫細胞治療と化学療法の併用を希望し、オキサリプラチン、ゼローダとハーセプチンの3剤併用と樹状細胞ワクチン療法とアルファ・ベータT細胞療法またはNK細胞療法を併用する治療に変更しました。2016年3月、PET検査の結果より、主治医から再度手術を勧められたため、手術を受けました(原発の胃切除、周囲のリンパ節の切除、肝臓の部分切除を行いました)。切除したリンパ節への転移が認められなかったため、術後に予定していた化学療法は実施しませんでした。術後8ヶ月まで免疫細胞治療を継続し、免疫細胞治療が終了してから1年、手術を受けてから1年8ヶ月が経過しましたが、再発の所見はみられず普段の生活を送られています。

実施治療と腫瘍マーカーの推移

考察

本患者さんは多発リンパ節転移を伴った進行胃がんのため手術ができない状態でしたが、化学療法と免疫細胞治療の併用により、リンパ節転移が消失し手術ができる状況となりました。免疫細胞治療の選択にあたっては、免疫機能検査を実施し患者さんの免疫状態を評価し、より適切な治療法を決定しています。本患者さんでは免疫機能が低下した状態であったため、これを解除(免疫機能の低下状態を改善)する目的でアルファ・ベータT細胞療法をまず最初に開始しました。

更に、抗体医薬であるハーセプチンを使用されていたため、NK細胞療法も行われました。NK細胞は抗体に結合しがん細胞を破壊する作用があるため、ハーセプチンなどと併用すると作用が増強することが期待されます。また免疫組織化学染色検査を実施し、がん細胞の特徴がわかったため、樹状細胞ワクチン療法も併用することが可能でした。

このように患者さんごとの免疫状態や使用される薬剤に合わせて、適切な免疫細胞治療を行い、治療効果を高めることによって手術が可能になったと考えられます。

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症例②
女性74歳 女性
抗がん剤治療が無効となったリンパ節再発胃がんに対して、免疫細胞治療でがんが消失した一例

治療までの経緯

2001年5月に胃がんで手術を受けられましたが、進行した4期の状態でした。経過観察をしていた2003年10月に腫瘍マーカーの上昇とリンパ節への転移が見られたため、抗がん剤治療(TS-1)が開始されました。一旦は腫瘍マーカーが低下し、リンパ節の腫瘍も縮小しましたが、2005年10月に腫瘍マーカーの再上昇とリンパ節への転移が再度、増大しはじめました。下痢や吐き気といった副作用が強く見られ、明らかに体重が減少してきたため、継続していた抗がん剤治療は中止されました。
2005年11月からは、漢方の服用を開始されましたが、2006年1月には、新たなリンパ節への転移が確認され、その後にさらに腫瘍の増大も認められたため、同年3月に当院を受診されました。

治療内容と経過

胃がんに対する免疫療法stmach_cancer2

同年4月よりアルファ・ベータT細胞療法を、漢方療法は継続しながら、2週間間隔で6回の治療を行いました。その間、腫瘍マーカーは減少していき、同年7月のCT検査で転移していたリンパ節の腫瘍はほとんど消失しました。その後は2007年12月まで6週間間隔でアルファ・ベータT細胞療法を受けられ、全身状態および食欲ともに良好な状態で経過いたしました。この方はその後、残念ながら、たまたま発病した脳梗塞のため2008年2月にご逝去されました。

考察

有効であった化学療法が継続使用中に無効となり、また強い副作用を伴っていたため中断を余儀なくされましたが、免疫細胞治療により、QOL(生活の質)を下げることなく治療を継続し、がんの消失が見られた一例です。このように、副作用の問題などから他に標準治療が無くなっても、QOLを下げることなく、積極的に治療が行えることが、免疫細胞治療の特徴の一つと考えられます。

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症例③
女性71歳 女性
免疫細胞治療を単独で約2年間続けて行い、寛解した(がんが画像上見られなくなった)一例

治療までの経緯

2003年3月ごろから疲労感や足のむくみ、貧血、食事が喉を通りにくい等の不調が見られ、同年6月に精密検査を受けたところ胃の上部にがんが発見されました。リンパ節転移もあり、画像検査にて骨への転移も疑われました(ステージⅣ)。
同年8月に、がんのためふさがっている胃の上部を切る手術を受けたのち、主治医からは抗がん剤治療を提案されましたが、患者さんは免疫細胞療法を希望しました。主治医も免疫細胞療法に理解を示し、紹介状を持って瀬田クリニックグループ(東京)を受診。

治療内容と経過

胃がんに対する免疫療法stomach_cancer

瀬田クリニックグループでは抗がん剤(TS-1)と免疫細胞療法との併用を提案しましたが、患者さんは免疫細胞療法単独での治療を希望されたため、10月よりアルファ・ベータT細胞療法を2週間おきに行いました。
1クール終了後の検査ではリンパ節への転移巣に変化はなく、「不変(SD)」と判断、以降は2カ月に1度の頻度で同療法を続け、2004年12月までにさらに6回、計12回行いました。その間も病巣に変化はなく、「長期不変(long-SD)」と判断されました。なお、画像検査では骨転移が疑われる所見が消えていました。
2005年以降は3カ月に1度の頻度で継続し、同年3月、10月にCT検査を行ったところリンパ節にあった腫瘍が消えており、「寛解(PR)」と判断された。

考察

リンパ節転移をともなった胃がんでしたが、免疫細胞治療を長期に続けることで、寛解にいたった症例です。1クールの治療後には病巣に変化のない「不変(SD)」の判定でも、その後も治療を続けることで、「寛解(PR)」が得られる例は、免疫細胞治療では珍しくありません。
なお、画像検査にて骨転移の疑われていた所見(骨集積)が、治療の経過とともに消えたのは、もともとがんによる病変ではなかった可能性も否定できません。

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