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瀬田クリニックグループのアルファ・ベータT細胞療法

ab_open2アルファ・ベータT細胞療法は”活性化自己リンパ球療法”のひとつで、がんに対する攻撃力がもっとも強い細胞のひとつであるT細胞を活性化、増殖させ、体内に戻す治療法です。T細胞の多くはアルファ・ベータT細胞であるため、この名前がついています。

アルファ・ベータT細胞はがんも含めた異常な細胞全般に対して攻撃する免疫細胞であることから、免疫細胞の働きを総合的に高める効果があります。また、がん細胞による免疫の抑制作用(がん細胞が自らを守るバリア)を解除し、免疫機能が働きやすい環境を作る効果もあります。

目次

アルファ・ベータT細胞療法とは

アルファ・ベータT細胞療法

アルファ・ベータT細胞療法は、最も長く行われている治療法であることから、その有効性や効果の限界について一番よくわかっている治療法であるといえます。

また、比較的に培養が容易で、必要な血液量も少なく、培養期間も短いというメリットがあります。個人差はありますが、二週間の培養で200万個程度のアルファ・ベータT細胞 が80億個ほどに増えます。病状が重い、あるいは強い化学療法などのために血液中のリンパ球の数や機能が低下している場合でも、十分な量まで増殖が可能な場合が多いのもメリットといえます。

免疫機能が働きやすい環境を作る

がん細胞は、自らの身を守るために免疫の働きを抑制する仕組みを発動させます。免疫細胞治療の効果を向上させるには、この抑制作用を解除することが重要なポイントです。
そこで注目されるのがアルファ・ベータT細胞療法です。最近の研究で、免疫抑制を解除する働きを持つ薬剤(免疫治療)が大きな注目を浴びていますが、当院のアルファ・ベータT細胞療法にも、この免疫抑制作用を解除し、免疫治療の効果を向上させる働きがあることが分かってきました。

アルファ・ベータT細胞療法

以下、その働きについてくわしくご説明します。

がん細胞が免疫の働きを抑制する作用

人間の身体には、がんなどの異常細胞を攻撃する免疫機能が備わっています。しかし、その攻撃が行き過ぎると、正常な細胞にまでダメージを与えてしまう危険があるため、免疫には、程よいところでその攻撃を自ら抑制する仕組みが備わっています。
(この仕組みが上手く働かない例が、関節リウマチや花粉症などの自己免疫疾患です)

がん細胞が手ごわいのは、免疫の抑制作用を必要以上に発動させることで、免疫細胞の攻撃から自分自身を守ってしまうことにあります。よって、この抑制作用を解除することが、免疫細胞治療の効果を向上させるカギになります。

世界的に注目を浴びる、免疫抑制を解除する薬剤

現在、免疫抑制を解除する働きを持つ薬剤(免疫治療)が大きな注目を浴びています。免疫抑制を担うたんぱく質「PD-1」や「CTLA4」(※) の働きを阻害する抗体医薬であるニボルマブ(一般名)やイピリムマブ(一般名)がその代表例です。ニボルマブは2014年に医薬品としての製造販売が承認され、イピリムマブは米国など40か国以上で承認を受けています。

これらの免疫治療に関する成果は世界的に注目を浴びており、アメリカの有力科学誌「サイエンス」では、2013年のブレークスルー・オブ・ザ・イヤー(その年のもっとも画期的な進展)に「がんに対する免疫治療」を挙げたほどです。

そして、最近の研究では、瀬田クリニックグループが提供するアルファ・ベータT細胞療法(活性化自己リンパ球療法の一つ)にも、この免疫抑制作用を解除する働きがあることが分かってきたのです。

免疫を抑制させる細胞の割合を減らす

免疫抑制作用を担う細胞として、Treg(レギュラトリーT細胞;制御性T細胞)と呼ばれる細胞が存在します。アルファ・ベータT細胞療法を実施することで、このTreg細胞が減少するという研究結果が報告されています。

免疫反応にブレーキをかけるTregは、がん患者さんでより増加する。アルファ・ベータT細胞療法はTregを減少させる。

この研究結果によれば、がん患者さんにおいては、がん細胞を攻撃する働きを担うT細胞が健常人に比較して異常に減少している一方、がん細胞への攻撃を抑制するTregは減少せず、逆に増加している場合もあることがわかりました。

アルファ・ベータT細胞療法により移入される細胞は、がん細胞を攻撃する働きを担うT細胞であるキラーT細胞やヘルパーT細胞であり、Tregはほとんど含まれません。アルファ・ベータT細胞療法を行うことで攻撃に必要なT細胞を十分に増加させ、攻撃力を高め、Tregの割合は減少することが分かりました。

このようにTregを減少させることで、がん細胞への免疫反応を働きやすくする環境を作ることが可能です。また、樹状細胞ワクチン療法など他の治療法の効果を引き出すためにも不可欠と言えます。 

アルファ・ベータT細胞療法は、いわゆる活性化自己リンパ球療法のひとつとして長く実施されていますが、最近の研究結果により、免疫治療の効果向上に大きな役割を果たすことが期待されています。

(※)「PD-1」「CTLA4」
「PD-1」および「CTLA4」と呼ばれるたんぱく質は、免疫の攻撃が始まってしばらくすると、攻撃を担う免疫細胞「T細胞」の表面に出てきます。それが、T細胞に指令を出す別の免疫細胞「抗原提示細胞」の表面にある特定のたんぱく質と結合すると、攻撃中止の指令がT細胞に伝わります。一方、がん細胞自体も、PD―1と結合するたんぱく質を表面に出していて、T細胞に攻撃を中止させてしまいます。免疫が暴走しないように制御しているため、「免疫チェックポイント」とも呼ばれています。

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