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患者さん・ご家族のみなさまへ
一部の週刊誌記事に対する当院の見解

昨今、週刊誌など一部メディアにおいて、免疫細胞治療に対する誤解や無理解に基づく批判的な記事が掲載されており、治療をご検討されている患者さん・ご家族に無用なご不安を与えている状況があります。一方、治療を受けて頂いている患者さんからは、多くの励ましと共に当院としての見解をきちんと表明すべきとの強いご指摘を頂いております。
そこで、以下、記事で提示されている疑問に対し、当院の見解をお示しします。

<目次>

①免疫細胞治療は、治療効果に関するエビデンス(科学的根拠)がないのですか?

 治療効果を示すエビデンスは存在します。そして、それを示す国内外の研究が数多く発表されています。

免疫細胞治療の有効性のエビデンスを示している臨床研究は国内外に数多く存在し、がんの免疫療法を専門とする数多くの医師や研究者の手によって国内外で幅広く行われています。その中で治療に関する安全性や有効性のエビデンスは数多く報告され、学会や世界的な学術誌でも発表されています。
当院においても、1999年の開院当初より大学病院等と共同で臨床研究を行い、有効性を示す数多くの研究結果を得ています。その結果は、論文や学会などでも発表しています。

②一部の先生方が、免疫細胞治療は有効ではないと主張されていますが・・・?

 免疫細胞治療は薬物療法ではありません。今回の記事で登場する「有効ではない」と主張する先生方のご専門は抗がん剤などの薬物療法であり、免疫細胞治療の経験が乏しいものと思われます。

免疫細胞治療はがん治療や免疫学に関する多くの医学会で毎年、多くの研究発表がなされ、科学的に議論され、また、多くの論文が刊行されています。本来は、有効性があるかないかの議論は、学会発表や論文発表など学術的な場ですべきで、メディアやSNSではありません。

③治療を受けても残念ながら亡くなられた患者さんのことが記事になっていますが・・・?

 免疫細胞治療・標準治療含めどのような治療であっても、効果には限界があります。また、免疫細胞治療が効かずに亡くなられたという体験談を集めて、免疫細胞治療には有効性がないとするのは、科学的ではありません。

どのようながん治療であっても、多くの成果を得ている一方で、残念ながら効果には限界があることも事実です。期待されている免疫チェックポイント阻害剤でさえも全ての患者さんに効果が出ているわけではなく、その効果を享受出来る患者さんは20%ほど、という現実もあります。一旦は治癒したと思われる患者さんでも再発や二次がんが発症してしまうケースも多くあります。免疫細胞治療も、利点(標準治療との併用が可能、副作用が少ない)がある一方で、標準治療や他の多くの治療と同様、効果には限界もあります。

④免疫細胞治療は研究段階の医療であるにもかかわらず、営利目的で高額な費用を請求しているのですか?

 治療の安全性を担保すると共に、より患者さん個々に適した精度の高い細胞医療を提供するための技術・設備に多大なコストを要します。そのため、高額な治療費設定とならざるを得ない状況です。

細胞培養施設 患者さんの細胞を培養するクリーンルームは、無菌医薬品を製造する部屋と同等レベルの管理がなされています。空調設備や使用する機材は、コンピューターによる一元管理システムで24時間リアルタイムに稼動状態を監視されています。

免疫細胞治療は、体外に取り出した細胞への異物混入等を防止するため、極めて高度に安全管理されたクリーンルーム(写真)で細胞培養を行う必要があります。また、精度の高い細胞医療を提供するために様々な細胞加工技術を導入しています。細胞培養施設では63名の専門教育を受けた培養技術者が、細胞培養のほとんどの工程を手作業で実施しています。このように一回あたりの細胞培養作業に多大なコストを要することから、患者さんに少なくない経済的負担をお願いせざるを得ない状況があります。

他のがん治療費はさらに高額な場合も少なくありませんが、免疫細胞治療は保険外診療のため患者さんの負担は自己負担となります。そしてもちろん、私たちは最終的な公的保険の適用を目指した研究活動を続けています。

⑤日本では、免疫細胞治療などの保険外診療は法律の縛りがなく、好き勝手に行われているのですか?

 免疫細胞治療(を含む再生医療)は一般的な保険外診療とは違い、法律に基づく規制の下で行われています。2013年に「再生医療等安全性確保法」が成立し、当院をはじめ多くの医療機関では同法に基づき治療を実施しています。

2013年11月、がんに対する免疫細胞治療などの再生医療の実用化をより安全・迅速に推進するための法律「再生医療等安全性確保法」が成立し、翌年の2014年11月に施行されました。
当院では、同法に則り、認定再生医療等委員会(厚生労働大臣認定)の設置や、厚生労働大臣に対する定期報告などを行い、法律に基づいた治療の提供を行っています。

⑥免疫細胞治療を行うことで、患者さんから標準治療を実施する機会を奪っているのですか?

 当院では患者さんとご相談の上で、標準治療とともに総合的ながん治療(集学的治療)を提案しています。

当院では、標準治療をやめてもらいその代わりに免疫細胞治療を行うのではなく、標準治療を優先するなかで、その効果の限界を考え、免疫細胞治療を行っています。当院の医師は、標準治療も含めて長年がん治療に携わった経験を持っています。患者さんとの相談の上で、標準的ながん治療で十分な効果が見込める患者さんにはもちろん、そのようにご説明します。

しかし、従来の標準的な治療だけでは十分な治療効果が望めない患者さんに対しては、じっくりとご相談し、免疫細胞治療と標準治療の併用を含め、総合的な治療戦略(集学的治療)を提案します。

⑦有効性や安全性を示すための研究活動や論文発表は行っていないのですか?

 当院では免疫細胞治療の更なる安全性・有効性向上のため、そして将来的な公的保険適用を目指し、1999年の開院当時から大学病院や中核病院等と共同で臨床研究を行っています。臨床研究の成果も多くの学会や論文で報告してきました。

当院は、「診療だけ」の医療機関ではありません。
免疫細胞ががんに対してどのように働きかけるか…その仕組みは複雑で、まだ解明されていないことも多く、今なお世界各国で活発な研究が進められています。患者さんを日々、目の前にして、有効性の更なる向上に努力することは当然のことです。
そして将来的な公的保険適用を目指し、大学病院や中核病院(地域がん診療拠点病院等)と共同で臨床研究を進めてまいりました。

がんで苦しむ患者さんに、新たな治療選択肢を提供したい。医療法人名の「こうかい」に込められた信念

がん治療の苦痛で悩む患者さんに、苦しむことのない新たな治療選択肢を提供したい。
当院の創設者・故江川滉二東大名誉教授が抱いたこの「志」を礎にして、1999年、瀬田クリニックは誕生しました。

開院当時、免疫細胞治療は一部の研究機関で治療効果が認められていたものの、まだまだ発展途上の治療であり、かつ、公的保険が効かない高額治療であったことから、クリニック開設にあたり医療界からかなりの反発やご批判をいただきました。

しかし、その逆風の中でも、江川先生の志に共感した医師やスタッフが信念を持って医療を提供してきた結果、多くの患者さんや医療者のご支持・ご支援をいただき、約20年間の長きにわたり免疫細胞治療の提供を続けることができました。

がん治療の苦痛で悩む患者さんに、苦しむことのない新たな治療選択肢を提供したい。

当院の運営医療法人は「滉志会(こうしかい)」と申しますが、これは、いかなる時も創設者・江川二先生のを貫く医療法人でありたいとの信念が込められています。

私たちは、今こそクリニック創設の志を思い起こし、様々にいただいているご批判も真摯に受け止め、改善し、免疫細胞治療の健全な普及に尽力していかねばならないと心を新たにしています。

最後に、江川先生がお亡くなりになる直前の2009年春、当院が10周年を迎えた際の挨拶で述べた言葉を紹介します。

瀬田クリニックを開設してから2009年3月末でまさしく10年が経過しました。
この10年を振り返ると、免疫細胞治療を取り巻く環境が大きく変わりつつあることに感慨を覚えずにはいられません。

私たちが瀬田クリニックを開設したときの思いはただ一つ、抗がん剤治療しかない進行がんの患者さん方に、「苦痛の原因にならず、治療を断念せざるを得ないことにもならない、新たな治療法の選択肢を広く提供したい」ということでした。

これまでのがん治療にもいろいろと進歩があったでしょう。
しかし、こと進行がんの治療ということになると、少なくとも患者さんの生死から言えば、この数十年間ほとんど進歩がなかったと言うこともできると思います。そして、これまでの経緯を見てくると、少なくとも近い将来に飛躍的な進歩があるとも思えません。
このことを前提にして、そして進行がん患者さん方の置かれたきわめて厳しい現実に立って進行がん治療の進むべき方向を考えれば、答えは明らかだと思います。

当院の創設者 故・江川滉二東大名誉教授当院の創設者 故・江川滉二東大名誉教授

それは、がんを無理にでも治そうとして患者さんを苦しめ、多少の延命はあるものの結局治せない治療から、患者さんの福祉を一つの大きな目標にした治療、つまり治らないまでも、患者さんになるべく良い状態で、なるべく長生きしていただく治療に転換するのも一つの正しい方向だということです。

私たちが、世の中の大きな抵抗にもかかわらず、免疫細胞治療を選択して瀬田クリニックを開設したのは、そうした考えの一つの表れでした。
瀬田クリニック開設当時は、医療界からはほとんど否定的な反応ばかりで、協力を得ることもなかなかできない状態でした。
ところが現状を見ると、世の中は大きく動いています。最近刊行された『免疫細胞治療』という分担執筆の単行本には、非常に大勢の大病院の有力な先生方が免疫細胞療法について執筆しておられます。このようなことは10年前にはまったく予想できないことでした。(註:2011年にはその続編『免疫細胞治療Ⅱ』が発刊されました)

また、行政の面では、再生・細胞医療がライフサイエンス分野の重要項目として取り上げられ、それを取り巻く制度的枠組みに関して、厚生労働省をはじめとする各界の英知が参集し、当該分野のさらなる発展のための画期的な動きが出てきました。
免疫細胞治療は再生・細胞医療のまさに中核であるとともに、この分野の実地医療への応用技術開発の基盤をなすものであると考えておりますが、このような行政面での進展も10年前には考えられなかったことでした。

このような変化がもたらされたのは、この分野のリーダーとして私たち関係者全員が常に真面目を旨とし、研究的姿勢を忘れずに、また患者さんの利益を優先して努力してきたこと、そして何よりもそれによって患者さんの支持を得てきたことによるものと思います。

(2009年4月発行 滉志会広報誌『HOPE』第一号より。一部抜粋)

昨今、標準治療以外の治療を認めないという患者さん(・医師)と、標準治療以外の治療も含めて広く情報を得たいという患者さんが対立するような状況も生まれているようです。

がんという病気は一人ひとり、病状も程度も治療の効果も違います。がん治療に対する考え方も、一人ひとり違うと思います。
正しい情報公開のもと、どのがん患者さんもお互いを認めていくことのできる医療を望みます。闘う相手はがんであり、患者同士、医者同士ではないことはいうまでもありません。

本ページを最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今後も、随時更新して参ります。

2017年10月
医療法人社団滉志会


詳しくは当院のWEBサイトでも掲載しています。
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