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症例紹介-子宮がんに対する免疫療法

遠隔転移を伴う再発子宮内膜がんの長期(7年間)治療例(Ⅳ期子宮内膜がん)

患者さん:
51歳 女性
治療法:
アルファ・ベータT細胞療法

治療までの経緯

1998年12月、子宮内膜がんのため手術を受けましたが、上腹部のリンパ節への転移があり、また、がんの一部は腸管表面に残りました。そのため、手術後は化学療法(シスプラチン、エピルビシン、シクロホスファミド)を5クールと、さらに別の化学療法(パクリタキセル、カルボプラチン)を3クール行いました。しかし、1999年8月、残ったがんが進行し、骨盤や腹部のリンパ節転移の再発や、左鎖骨上リンパ節転移の出現がみられました。11月末までリンパ節転移部分には放射線療法を行い、また免疫賦活剤(シゾフィラン)も併用し、腫瘍は縮小されました。その後引き続き化学療法(ドキシフルリジン)が開始されました。

治療内容と経過

2000年1月24日当院を受診されました。全身状態は良好で、食欲も良好、触診では左鎖骨上リンパ節は放射線療法により2cm程度に縮小していました。
2月9日よりアルファ・ベータT細胞療法を開始し、4月19日まで6回の治療終了後、検査をしたところ、左鎖骨上リンパ節は触って確認できないくらいに縮小しており、腹部と骨盤のリンパ節転移巣は縮小した状態を維持していました。また腫瘍マーカー(CA125、CA19-9)の上昇もありませんでした。放射線療法による効果が維持されていると判断し、6月23日から治療を再開しました。9月1日まで更に6回行い、その後4週間間隔で2002年4月まで継続しました。その間、腹部と骨盤のリンパ節転移巣は安定しており、その後更に6週間間隔、8週間間隔、2ヶ月間隔、3ヶ月間隔と治療間隔を空けながら治療を継続していましたが、2005年10月以降になりCA125が徐々に上昇してきたため、2005年12月からは再度、4週間間隔で治療を行うとCA125、CA19-9の低下が見られ、2006年4月以降は再び3ヶ月間隔で治療を行いました。
当院での約7年間の経過中、6ヵ月毎に腹部CTで腹部と骨盤のリンパ節転移巣を観察していましたが、縮小がみられ(以下画像)、腫瘍マーカーの上昇も抑えられています。また患者さんの全身状態や生活の質も良好なまま維持されています。子宮がんに対する免疫療法case20

考察

化学療法が無効な患者さんでしたが、放射線療法でリンパ節転移巣は縮小させることができ、その後約7年間、アルファ・ベータT細胞療法で進行や再発がなく、生活の質が良好なまま経過していることは、特筆すべき症例と言えます。腫瘍マーカーなどの推移からは、まだがんが残っているものと考えられ、今後も慎重に経過を観察しながら免疫細胞治療の治療間隔を考慮し継続している方針です。

治療の経過

2000年1月24日
当院を受診。全身状態は良好で、食欲も良好、触診で左鎖骨上リンパ節は放射線療法により2cm程度に縮小
2000年2月9日
アルファ・ベータT細胞療法を開始
2000年4月19日
6回の治療終了後、左鎖骨上リンパ節は触って確認できないくらいに縮小腹部と骨盤のリンパ節転移巣は縮小した状態を維持腫瘍マーカー(CA125、CA19-9)の上昇なし

放射線療法による効果が維持されていると判断した

2000年6月23日
〜2000年9月1日
免疫細胞治療が放射線療法による効果を維持していると判断したことから、2週間間隔で治療を再開(6回実施)
その後〜2002年4月
4週間間隔で治療継続。この間、腹部と骨盤のリンパ節転移巣は安定
その後〜2005年11月
6週間間隔、8週間間隔、2ヶ月間隔、3ヶ月間隔と治療間隔を空けながら治療を継続2005年10月以降になりCA125が徐々に上昇
2005年12月
治療間隔を4週間間隔に変更すると、CA125、CA19-9が低下した
2006年4月以降
再び3ヶ月間隔で治療を継続当院での約7年間の経過中、6ヵ月毎に腹部CTで腹部と骨盤のリンパ節転移巣を観察していたが、縮小がみられ、腫瘍マーカーの上昇も抑えられている。また患者さんの全身状態や生活の質も良好なまま維持している。

子宮がんとは

子宮がんは、子宮の内側をおおう上皮細胞から発生するがんです。子宮本体(内膜)にできる子宮体がんと子宮の入り口付近にできる子宮頸がんがあります。子宮頸がんの発生には、その多くにヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が関連しています。

 
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