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症例紹介-肝臓がんに対する免疫療法

肝細胞がん再発例に対する免疫細胞治療によって安定状態を6年間維持した一例

患者さん:
63歳 女性
治療法:
アルファ・ベータT細胞療法

治療までの経緯

1983年にC型肝炎と診断され、治療をされていましたが、その後、肝硬変となり、肝細胞がんを発病しました。1996年にPEIT※の治療を受けましたが、その後、肝臓内に再発し、外科手術により切除されました。経過観察中の2000年5月に肝臓内に新たに再発しました。

※PEIT:がん、あるいはがんとつながっている血管に針を刺し、エタノールを注入して治療する方法。

治療内容と経過

2000年6月に瀬田クリニック東京を受診され、アルファ・ベータT細胞療法を単独で治療開始し、2週間隔で実施することにしました。免疫細胞治療開始前の血液検査では、腫瘍マーカーが軽度に上昇し、肝機能障害、血小板の低下も確認されました。2000年9月までに1コース6回の治療を終了し、同年10月のCT検査でがんの大きさは変わらず、安定していました。その後、4週間隔で治療を継続し、2コース12回の治療が終了した2001年4月23日のCT検査でもがんの大きさは変わらず、増大していませんでしたが、がんの中心部が壊死していることが画像上考えられました。その後もCT検査での観察を続けながら、4週間隔での単独治療を継続しました。がんの大きさと肝機能の値は、治療中ほぼ安定しており、再発なく病状も安定し、まったく普通の生活が送れる状態で経過しました。しかしながら、6年後の2006年1月のCT検査にて肝臓の表面に新たながんの出現が認められました。このがんに対しては、2006年2月16日に肝動脈塞栓療法※を行いました。その後も2008年まで4週間隔で治療を継続し、病状も継続して安定しており、普通の生活が送ることができました。

※肝動脈塞栓療法(TAE):栄養を届けるためにがんと繋がっている動脈血管に、カテーテルという管を挿入し、そこから血管を塞ぐための物質や、抗がん剤などを注入するなどして、がんを兵糧攻めにする方法。肝臓がんに対する免疫療法liver_cancer3

考察

肝細胞がんに対しては外科手術、肝動脈塞栓療法や、ラジオ波焼灼療法など有効な局所的治療が存在しますが、化学療法など全身的治療についての有効性は現在も限定的と言わざるを得ない状況です。このように、副作用もほとんどなくQOLを維持しつつ、長期に渡り免疫細胞治療を継続することで、安定状態を保つことができたことは、免疫細胞治療による特徴的な経過と言えます。

肝がんとは

9割以上は肝細胞にできる肝細胞がん。肝炎や肝硬変を由来とする発症が多い。罹患率、死亡率とも男性の方が女性の約3倍と高い。自覚症状に乏しく、局所再発が多いのも特徴。

 
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