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症例紹介-膵臓がんに対する免疫療法

免疫細胞治療によって肝転移が消失し、8年間維持した再発膵がんの一例

患者さん:
59歳 男性
治療法:
アルファ・ベータT細胞療法

治療までの経緯

患者さんは糖尿病で、インスリンによる治療を受けておられましたが、血糖値と腫瘍マーカーの上昇が確認されたため精密検査したところ、膵体尾部がんと診断されました。2003年4月、手術により全膵臓を摘出し、門脈・胆管・胆嚢を併せて切除され、手術後に抗がん剤治療(5-FU)が行われましたが、退院後に肝機能異常の副作用を認めたため、延期されました。同年6月23日からアルファ・ベータT細胞療法が開始されましたが、6月27日にCT検査を行ったところ、肝転移が疑われ、その後腫瘍マーカーが上昇したため、同年7月に抗がん剤治療(ジェムザール)が開始されました。しかしながら、投与後の副作用が強く、抗がん剤は1回で中止され、直後のCT検査により、肝臓への再発が確認されました。

治療内容と経過

その後はアルファ・ベータT細胞療法のみを2週間間隔で行ったところ、同年10月のCT検査では肝臓へ転移した癌は消失していました。その後も2~3週間間隔でアルファ・ベータT細胞療法を継続したところ、2005年5月の時点で腫瘍マーカーの上昇はなく、肝臓に転移した癌が再び発生する事はみられませんでした。膵臓がんに対する免疫療法pancreatic_cancer3

考察

予後が非常に悪い膵がん患者において、標準治療の継続が副作用により困難な患者さんでしたが、免疫細胞治療単独により肝臓に転移した癌が消失し、残念ながら、2011年4月に肺炎によりご逝去されましたが、それまでの8年間、腫瘍マーカーは経過中、比較的高いレベルで上下はしているものの、CT上では消失状態を維持する事ができた一例です。このように、QOLを維持しながら積極的に治療できることが、免疫細胞治療の特徴の一つです。

膵がんとは

約8割は消化液が流れる膵管に発生。男女とも60歳以降年齢とともに増加。明確なリスク要因には喫煙習慣がある。自覚症状は黄疸や背中の痛み、体重の急激な減少など。

 
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