結腸がん症例報告

結腸がん

化学療法を併用した免疫細胞治療は無効であったが、免疫細胞治療単独治療により長期不変となった進行結腸がん症例

患者さん:
51歳 女性
治療法:
アルファ・ベータT細胞療法

症状

1998年4月に結腸がんと診断され手術を受けられました。その後、再発予防を目的とした抗がん剤治療が実施されましたが、経過観察中の2001年11月に肺に転移が見つかり再発と診断されました。 再手術の後、再再発予防のために別の抗がん剤治療を実施しながら、2002年4月に瀬田クリニックを受診されました。

治療内容と経過

再再発予防としての抗がん剤治療を補完する目的で、アルファ・ベータT細胞療法を併用することとし、2週間間隔、あるいは1ヶ月間隔で同療法を継続しました。2年間以上、再再発は生じませんでしたが、2004年3月の胸部CT検査で肺およびリンパ節転移再発と診断されました。そのため、抗がん剤のみを変更しアルファ・ベータT細胞療法との併用治療を継続しましたが、同年8月のCT検査で肺の腫瘍の大きさに変化はないものの、リンパ節は明らかに大きくなっていました。さらに他の抗がん剤への変更が提案されましたが、期待される有効性が限定的であるとの判断で、抗がん剤投与は中止され、アルファ・ベータT細胞療法のみで治療を継続することとなりました。 その後、2004年11月及び2005年2月のCT検査で肺、リンパ節腫瘍ともに変化なく、増大していませんでした。

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考察

今回、結腸がんの肺への転移を外科切除した後にリンパ節に再再発し、抗がん剤を併用したアルファ・ベータT細胞療法では無効でした。しかし、その後は、アルファ・ベータT細胞療法のみの治療に切り換えることで、長期に亘り腫瘍の大きさが変化しなくなった症例です。本症例においては、併用されていた抗がん剤により、患者さんの免疫細胞が抑えられたことで、アルファ・ベータT細胞療法の効果が十分に発揮できなかったものと推測されました。なお、現在、瀬田クリニックではアルファ・ベータT細胞療法以外にガンマ・デルタT細胞療法を実施しており、大腸がんでは抗体医薬(セツキシマブなど)との併用にて高い治療効果が期待できるものと考えております。

結腸がんとは

結腸とは上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸からなり、結腸がんは特にS状結腸に多く見られる。初期段階では無症状で、進行すると下行結腸の自覚症状としては排便困難や下血などがあり、上行結腸では出血に気付かないまま貧血や体重減といった症状が見られる。