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NK細胞療法のご案内

当院では2012年11月12日より「NK細胞療法」を開始いたしました。
当院では、患者さんお一人おひとりのがん細胞の特徴やご病状、併用されているがん治療の種類や組み合わせ等に応じたオーダーメイド医療(個別化医療)を推進するため、治療の改良や新たな治療法の開発に努めてまいりましたが、今回の「NK細胞療法」の導入によって、患者さんにとってより最適な免疫細胞治療の選択が可能になると考えています。

なお、今後、本治療を瀬田クリニック連携医療機関へ順次拡大していく予定です。

1.高いがん細胞殺傷能力を持つ、NK細胞を増強して投与

NK(ナチュラルキラー)細胞は、末梢血中に10~20%程度存在する、極めて強い細胞殺傷能力を持ったリンパ球の一種で、身体の中を常時パトロールし、がん細胞やウイルス感染細胞などの異常な細胞をいち早く発見して攻撃する、初動部隊です。

NK細胞療法は、患者さん自身のNK細胞を体外に取り出し、高度に安全管理された環境下で大幅に増殖・活性化、10億個~100億個程度まで増やしたNK細胞を最も攻撃力の高い状態で体内に投与します。※

※治療開始前の患者さんの免疫状態等により、NK細胞の増殖度合いは異なります。

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2.樹状細胞ワクチン療法やCTL療法では攻撃できないがん細胞を攻撃

nk_image02.jpgがん細胞は、自分を攻撃するように教育された免疫細胞(CTL)の監視から逃れるために、自らに出ている目印である“MHCクラスI分子”を隠してしまうことがあります。このようながん細胞に対しては、がんの目印を狙ってCTLが攻撃する「樹状細胞ワクチン療法」や「CTL療法」よりも、目印の有無にかかわらず、がんなどの異常な細胞を攻撃する免疫細胞を使った治療法の方が効果的に作用すると考えられています。

特にNK細胞は、目印である“MHCクラスI分子”が隠されているがん細胞を見分けて殺傷する能力をもっていることから、このようながん細胞に対してはNK細胞療法が有効であると考えられます。

当グループでは目印が出ているか否かを免疫組織化学染色検査で事前に調べた上で、最適な治療法を提供しています。

3.抗体医薬品との併用による相乗効果

nk_image03.jpg抗体とは、体内に病原体などの異物が侵入した際に、その異物に結合することで体を守るタンパク質のことです。抗体には、がん細胞に結合しがん細胞の増殖を抑えたり、がんに栄養を送る血管の新生を阻害するなど様々な働きがあります。これを製剤化したものが、抗体医薬品です。

抗体ががん細胞に結合すると、NK細胞はFcレセプターという分子によりこの抗体を認識することで、がん細胞を集中的に攻撃するようになります。これを「抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性」といいます。

ADCC活性が確認されている抗体医薬品には、乳がんなどの治療に用いられるハーセプチン(一般名 トラスツズマブ)※1や、B細胞リンパ腫などの治療に用いられるリツキサン(一般名 リツキシマブ)※2、大腸がん治療などに用いられるアービタックス(一般名 セツキシマブ)※3などがあり、NK細胞療法と併用することで、高い相乗効果を発揮することが期待されます。

下記グラフは、NK細胞と抗体を併用することによる効果を表わすデータです。がん細胞に対し、NK細胞と抗体医薬を併用したケースでは、NK細胞単独や抗体医薬単独より細胞傷害活性が高いことが確認できます。

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※1 ハーセプチンは、ジェネンテック社の登録商標です。
※2 リツキサンは、ジェネンテック社の登録商標です。
※3 アービタックスは、イムクロン エルエルシーの登録商標です。

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