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 臨床症例報告No.27

遠隔転移を伴う再発子宮内膜がんの長期治療例
−7年間の経過−
(瀬田クリニック院長 後藤 重則

Introduction
 子宮内膜がんは閉経後の高齢者に多く発生し、患者数は近年増加傾向にある。子宮頚がんのように検診による早期発見の意義が確立しておらず、進行がんで発見されることも少なくない。多くは腺がんであり、子宮頚がんと異なり放射線の感受性は低く、また、化学療法の有効性も卵巣がんなどと比較して低く、リンパ行性あるいは血行性に転移した切除不能なケースは予後は不良とされる。今回、鎖骨上リンパ節など遠隔転移を伴う再発子宮内膜がん症
例に対して放射線療法後、長期にわたって活性化自己リンパ球療法と経口剤であるドキシフルリジンにより病勢をコントロールできている症例を報告する。

Case
 症例は51歳女性で、既往歴は特記すべきことない。
  1998年12月、子宮内膜がんにて単純子宮全摘術、両側附属器切除術を施行、骨盤および旁大動脈リンパ節への転移、S状結腸 表面と腫瘍の癒着があり、腫瘍は腸管表面に一部残存した。術後、化学療法としてCEP (CDDP, EPI, CPM)を5コース施行後、さらにTJ (TXL, CBDCA)を施行、3コース終了した1999年8月、S状結腸表面の腫瘍の増大、骨盤および旁大動脈リンパ節転移の再燃、左鎖骨上リンパ節転移の出現を認めた。左鎖骨上、骨盤、旁大動脈リンパ節領域への放射線療法を同年11月末まで施行、また、シゾフィラン(40mg)の投与が2週間ごとに行われ、腫瘍は部分寛解となった。その後、ドキシフルリジン(フルツロンR、1,200mg/日)の投与が開始された。
  2000年1月24日、当院を初診した。PSは0で、食欲も良好、触診では左鎖骨上リンパ節は放射線療法により2cm程度に縮小していた。2月9日よりCD3-LAK法による活性化自己リンパ球療法を2週間間隔で開始、4月19日まで6回、1コースの治療を終了した。その後、諸検査を施行したが、左鎖骨上リンパ節は縮小し触知できず、旁大動脈および骨盤リンパ節は縮小した状態で再増悪なく、また、腫瘍マーカー(CA125、CA19-9)の上昇などもなかった。放射線療法による寛解状態が維持されていると判断し、6月23日より治療を再開した。2週間間間隔で9月1日までさらに6回行い、その後は4週間間隔で2002年4月まで継続した。その間、旁大動脈および骨盤リンパ節はStable Diseaseで経過、その後は6週間間隔、同年12月以降は8週間間隔で継続した。2004年1月以降は2ヶ月間隔で施行、2004年12月以降は3ヶ月間隔で施行した。2005年10月以降になり、CA125値が漸増してきたため、2005年12月からは再度、4週間間隔で施行、腫瘍マーカーの低下も観察され、2006年4月以降は再び3ヶ月間隔での実施とした。当院での約7年間の経過中、6ヶ月間隔で実施している腹部CTにて旁大動脈および骨盤リンパ節の腫大が観察されるものの縮小傾向で(Figure1,2)、腫瘍マーカーの上昇も抑えられている。また、PS0、良好なQOLが維持されている。

Discussion
 化学療法が無効で、左鎖骨上を含む広範なリンパ節転移再発をきたした子宮内膜がん症例を報告した。リンパ節転移巣は放射線療法で寛解状態に至らしめることができたが、その後、約7年間、再燃あるいは新病変の出現なく、良好なQOLで経過していることは報告に値すると考えられた。腫瘍マーカーなどの推移からは未だ、残存腫瘍が存在するものと考えられ、今後も慎重に経過を観察しながら、免疫細胞療法を治療間隔を考慮しながら継続していく方針である。


※図表に関してはPDF版をご覧ください PDFファイルはこちら




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