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 臨床症例報告No.11
  ティーエスワン®と免疫細胞療法(CD3-LAK法)との併用により、
  肺転移巣の消失をみた直腸がん症例

(瀬田クリニックグループ/かとう緑地公園クリニック 医師 明山燿久

Introduction
結腸、直腸がんは早期に発見により外科的に切除可能な症例の予後は比較的に良好であるが、診断時既に遠隔転移をみとめるDukes D, Stage IV症例の予後はいたって不良である。
遠隔転移例においても、その後のIleusなどの発症を考え、原発巣は切除される場合が多い。転移巣に対しては化学療法を主体に治療されることになり、近年、経口剤としてティーエスワン®(TS-1)の有効性が報告されている。結腸、直腸がんにおける奏効率は27.9〜47.7%。奏効期間の中央値は130日〜153日と報告されているが、完全寛解例は稀である。

Case
患者は62歳女性、家族歴および既往歴ともに特記事項なし。
2004年6月、血便を認め、精査の結果、直腸がんおよび多発性両肺転移と診断された。
2004年8月11日、低位前方切除術施行。
肉眼所見は3型(55×35mm)、Ra. SE. N2. M1. H0. P0.、病理所見はadenocarcinoma, se, ly, v2, ow(−), aw(−),ew(−), n2(+), m(+)であった。
術後よりTS-1 100mg/日を2週間服用、2週間休薬のレジメで開始された。
2004年10月5日、当クリニックへ紹介され、CD3-LAKを2週毎に併用することとなった。尚、肝臓その他に画像上転移は認めなかった。
2004年12月14日、CD3-LAK療法6回1クール終了。その間特に副作用は認めず、自覚症状は良好であった。
2004年11月22日のCTでは肺の転移巣は消失していた。 また、CEAも術後より低下し、正常範囲を推移した。
2005年3月29日のCTでも肺に異常陰影を認めず、CEAも2005年6月現在まで正常値を維持している。

Discussion
本性例は術前すでに両肺に多発転移を認めており、 StageWであったが手術を施行、術後経口化学療法剤TS-1®にCD3-LAK療法を2週間毎に併用したところ、CEAはすみやかに正常化し、3ヶ月後のCTでは肺の転移巣は消失していた。
本症例では画像上、肝転移は認めていないが、肺に多発転移を認めていることから、肝やその他の臓器にもmicroscopic metastasesが起こっている可能性は否定できない。
これまでの我々の成績では、CD3-LAK 療法は比較的肺と肝の病巣に有効である率が高く、本症例も多発とはいえ、肺の転移巣が小さかったことが有効性につながったのではないかと考えている。



※図表に関してはPDF版をご覧ください PDFファイルもこちらから


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